福増幼稚園
設計:吉村靖孝建築設計事務所文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)
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既製品の鉄骨造テント倉庫を活用した幼稚園舎増築計画。園児たちに「考えるきっかけ」を与えられるような建築をめざす。
既成の建築物を活用したリノベーションやコンバージョンが広がりを見せているが、コンテナなどの既製品を活用して空間をつくる例も増え始めている。既存のものを活かす、あるいは既存のものと新しいものを組み合わせることで都市は成熟化していく。
この幼稚園の教育方針は「子供たちの自主性を伸ばす」であり、「これは何だろう」と子供たちが考えるきっかけが様々なところにあるような建築物が期待されている。
オーダーメイドの対極にある既製品。形状が決まっていて不自由だが、そこから始めることで設計の可能性が広がる。
当初は、敷地に建っていた既存の倉庫をコンテナと組み合わせて活かす計画だったが、痛みが進んでいることなどからこの計画は断念した。ただ吉村氏は、新しい倉庫に置き換えても設計の拠り所にできるのではないか、既製品から始めることは設計の可能性を広げることにつながらないかと考えた。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
福増幼稚園
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設計: | 建築: | 吉村靖孝建築設計事務所 |
構造: | 満田衛資構造計画研究所(木造) | |
サンワ企業/長谷川総合企画設計事務所 (鉄骨造) |
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設備: | 環境エンジニアリング | |
監修: | 日比野設計 + 幼児の城 | |
施工: | ひらい建設 | |
敷地面積:
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3366.51㎡ | |
建築面積: | 489.02㎡ | |
延床面積: | 674.43㎡ | |
階数: | 地上一階、一部二階 | |
構造: | 木造+S造 | |
工期: | 2015年~ |
吉村 靖孝 (よしむら やすたか)
建築家、明治大学特任教授
1972年 愛知県豊田市生まれ
1997年 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了
1999~2001年 MVRDV在籍
2005年 吉村靖孝建築設計事務所設立
2013年~ 明治大学特任教授
JCDデザインアワード大賞、日本建築学会作品選奨、吉岡賞など受賞多数
「ビヘイヴィアとプロトコル」「EX-CONTAINER」「超合法建築図鑑」など著書多数
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