TOD'S表参道の外壁開口部は合わせガラスと単板のフロートガラスで構成されたダブルスキン。 このダブルスキンは密閉型であり、内部の結露防止は大きな課題だった。 素材や施工方法などすべてにおいて結露対策を検討した。
シールの品種には比較的透湿抵抗の高いものを選定した。 ディテールの組み方も細心の注意を払った。 ガラスの納まりだけではない。 躯体のコンクリート面からの湿度流入も問題となりうる。 ダブルスキン内部の躯体面の塗装は、透湿抵抗の高い塗料を使用し、仕上げ材は、調湿性を考慮して選定された。 施工時の温度条件、湿度条件の管理も細かく調整。 そこまで行っても不測の施工条件や経年変化を考慮すると、結露の可能性を完全に否定することはできない。
そこでアクティブな空気環流の仕掛けを施した。 開口部1 箇所につき直径10ミリ程度の何本かのチューブをあらかじめ躯体施工時に設置し、強制換気が可能なシステムを構築している。 複数の開口から延びたチューブはまとめられて点検口に集約。 チューブにはナンバリングがなされていて、必要なものを選び、コンプレッサーに接続すると強制換気ができる仕組みだ。 閉店時に作動させるなど、フロア営業のプログラムと合わせて運用される。
低騒音用コンプレッサーを使用することなど細かな配慮も行っている。
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