
今回の豆知識は、前回に引き続き『ガラスの熱割れ』についての解説です。
前号では熱割れは基本的に
- ガラスに日の当たる高温部と周辺の低温部との温度差が著しい場合に生じること
- 施工状態が悪くエッジ強度が低下している場合には、さらに起こりやすくなること
- 割れを誘発する熱応力の大きさは、窓の方位やガラスの品種、ガラスの使われ方、
日影の状態、カーテンの影響、サッシの取り付け状態、ガラスの大きさにも左右されること
を解説し、物理現象のため、完全になくすことが極めて難しいとお伝えしました。
- 網入り板ガラスの熱割れについて
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特に網入りガラスについては、網を封入しているため、
エッジ強度がフロート板ガラスなどに比べて低くなります。
また、排水機構が機能しないなどの理由により、雨水などがガラスエッジに滞留すると、
エッジ部分の線材を錆びさせ、その体積膨張によってエッジ強度が低下することがあります。 - 熱割れの防止策について
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基本的には、切断・施工を良好に行い、
ガラスのエッジ強度を低下させない工夫をし、ガラスの温度をできるだけ高くしないことになります。
具体的なユーザー様へのお願いとしては、- 「窓際にダンボールなどを積まないこと」
- 「ブラインド゙を密着させないこと」
- 「クーラーの室外機等を密着させないこと」
- 「冷暖房用のエアーをガラスに直接当てないこと」
などにより、ガラス近傍で熱がこもらないよう、
ガラス面内の温度ムラがつかないようにすることがあげられます。
また、施工にかかわることでは- 「ガラスエッジはクリーンカットであること」
- 「弾性シーリング材を使用すること」
- 「ガラスとサッシが直接触れることがないようクリアランスを十分取ること」
があげられます。
くわしくは 『GLASSPLAZA ~AGC ガラスのお取扱い説明書』 でもご案内しています。 - 施工の際には防錆処理を!
- AGCでは、原寸サイズで出荷する網入り板ガラスについては
全周に防錆塗料を塗布して出荷しています。
お客様が網入り板ガラスを定寸から切断されてご使用になる場合、
切断した全てのガラスエッジ部分には防錆処理を必ず施して下さい。
Vol.15 熱割れについて(1) ・ Vol.16 熱割れについて(2)