《小さな経済》の住宅群
設計:仲建築設計スタジオ文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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人は生活をするために働くが、その働き方は時代とともに変わっていく。今後は自分の好きなことを仕事にする人が増えていくだろう。また在宅勤務が増えていくだろう。それによって都市や建築も変わっていく。
建築家の仲俊治氏が手掛けているのはオーナー住宅や事務所、アパート、工房からなるプロジェクトだ。計画地は東京都目黒区にある土地だ。角地にあり約200㎡の広さがある。
パブリックな空間とプライベートな空間の間に中間領域を設け、住宅にグラデーショナルな生活環境を織り込むことで地域とつながる。
作業スペースと工房は通りと居住空間全体をつなぐ中間領域に位置付けられている。スタジオは住戸内の共用部である屋根付きテラスとプライベート空間の間に設けられた中間領域である。仕事や趣味・特技などが居住空間の延長でできるようにしているのだ。住戸の内側には仕切りがあり、その奥にプライベート空間の寝室やサニタリーなどを配置する。「いままでプライベートだけだった住宅が外向きと内向きの場所を持ち、内向きの場所はより内向きになっていっていい。またオーナー住戸もアパートも空間の原理は同じ。だからオーナー住戸もアパートも同じつくりにする」。
「木陰で涼んでいる人を見かけた人は声をかける。自然がつくりだす空間性が自然な人付き合いや交流をもたらす」。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
《小さな経済》の住宅群
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所在地: | 東京都目黒区 |
建築主: | 個人 |
用途: | 集合住宅、オーナー住戸、工房 |
設計: | 仲俊治・宇野悠里/仲建築設計スタジオ |
建築面積: | 約140㎡ |
延べ面積: | 約260㎡ |
階数: | 2階 |
主体構造: | 木造+鉄骨造 |
工事予定期間: | 2016年4月~ |

仲 俊治 (なか としはる)
建築家、仲建築設計スタジオ共同主宰
1976年 京都府生まれ
1999年 東京大学工学部建築学科 卒業
2001年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 修了
2001-08年 山本理顕設計工場
2009年 建築設計モノブモン設立
2012年 仲建築設計スタジオに改組

宇野 悠里 (うの ゆり)
建築家、仲建築設計スタジオ共同主宰
1976年 東京都生まれ
1999年 東京大学工学部建築学科 卒業
2001年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 修了
2001-13年 日本設計
2013年- 仲建築設計スタジオ
※関連コンテンツ: | AGC studio WEB デザインフォーラムレポート 第65回 「新しい建築の楽しさ2015」展 連動企画②「親和性を生み出す領域」 |