小淵沢のホール
デザインアーキテクト:永山祐子建築設計設計:竹中工務店
文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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阪神淡路大震災後「人間は自然の中で暮らした方がいい」という代表の考えから、本社を東京から山梨県小淵沢へ移転した企業のためのプロジェクト。企業の理念、文化が、社屋のデザインにも表現される。
企業には理念や文化があり、その価値体系や行動規範は社内の雰囲気や社員の姿勢などに現れる。また企業の理念や文化は企業戦略との整合性とともに、社屋のデザインに表現されることが望ましい。
構築的な建築デザインとは対照的に、周囲に溶け込んでいくようなデザインにすることによって、当たり前の自然を特別な体験にする。
計画地は南北方向に傾斜がついており、約5mのレベル差があり、それを利用して遊歩道を空中に浮かべる形で伸ばし、森を様々なレベルで体験できるようにしている。永山氏は次のように説明する。「自然のなかにいる感覚を得る。アイレベルが上がっていくので幹から枝へ、そして木の上に抜ける瞬間を体験させたい」。
建物が建つことで新しい体験や新しい発見が生まれる。永山氏は建築のその力を信じている。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
小淵沢のホール
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所在地: | 山梨県北杜市 |
用途: | 集会場/研修所/飲食店舗/その他の用途 |
デザインアーキテクト: | 永山祐子建築設計 |
設計施工: | 竹中工務店 |
建築面積: | 2,787.36㎡ |
延べ面積: | 5,385.13㎡ |
階数: | 地下1階、地上2階 |
主体構造: | 鉄骨造 |
工事予定期間: | 2015年4月~ |

永山 祐子 (ながやま ゆうこ)
1975年東京生まれ。
1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998~2002年 青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。
主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「ANTEPRIMA Singapore ION店」、「カヤバ珈琲」、「SISII PRESSROOM」「木屋旅館」「豊島横尾館」など。
ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞、AR Awards(UK)優秀賞「丘のあるいえ」、(2006)、ARCHITECTURAL
RECORD Award, Design Vanguard2012、JIA新人賞「豊島横尾館」(2015)など。
http://www.yukonagayama.co.jp/