クロアチア・SKYSCAPEプロジェクト
設計:小川博央建築都市設計事務所文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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病院の環境改善のための屋上庭園が、患者と病院スタッフのための憩いとリフレッシュの空間に。コンセプトは、空の風景をつくる「スカイスケープ」。
小川博央氏が手掛けているのは病院の屋上のランドスケープデザインだ。場所はクロアチアの首都ザグレブにあり、大聖堂など歴史的な建物が建つ旧市街から少し離れた区画整理されたエリアにある。病院は築40~50年ほどの中層の近代建築であり、周辺も同じような高さの近代建築が建っている。
屋上が空とつながり、街並みに溶け込むように、薄く軽くして浮いているように見せる。植栽も大地に根付いたものではなく、浮遊するイメージで。
白く塗装されたリング状のパーゴラが連なっていくようなデザインだ。平面的にはリングのパーゴラと四角い形状のプランターでゾーンをつくっており、外に向かって開く場所もあれば、内に向かって植栽を楽しむ場所もある。
「植栽も大地に根付いたものではなく浮遊したものというイメージを出すために浮いたように見せる」。
「未知の可能性に触れた時に楽しさを感じる。経験のないプロジェクトは違う目線でそれを見ようとする自分がいる。新しい可能性を見つけることができるのではないかと思っている」。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
クロアチア・SKYSCAPEプロジェクト
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所在地: | クロアチア ザグレブ |
事業主: | 病院 |
用途: | 屋上の休憩スペース |
設計: | 小川博央建築都市設計事務所 |
整備面積: | 約344.52㎡ |
バーゴラ構造: | 鉄骨造 |
工事予定期間: | 2016~ |

小川 博央 (おがわ ひろなか)
1975 香川県生まれ
2000 日本大学大学院生産工学研究科建築工学専攻修了
2000-05 隈研吾建築都市設計事務所
2005 小川博央建築都市設計事務所 設立
2008-14 東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科非常勤講師
2009- 香川大学大学院地域マネジメント研究科非常勤講師
2011- 日本大学生産工学部建築工学科非常勤講師
2014- 日本大学理工学部建築学科非常勤講師