紫泥堂ファームレストラン
設計:Studio YY文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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建物と人、建物と自然が近くなれるような建築、そこでしか体験できない空間にすることで、その空間がアイデンティティを再認識する場所になる。
Studio YYの中本剛志氏と田中裕一氏が手掛けているのはコンバージョンのプロジェクトだ。対象となる建物は中国・広州市の元製糖工場エリアの中にある。香港からフェリーで約2時間の位置だ。
工場事務所だった建物をレストランにコンバージョンするプロジェクト。考えたのは「現地の気候と文化をどう建築に読み込むか、どう引き立たせるか」。
「現地の気候と文化をどう建築に読み込むか、どう引き立たせるかを考えた。暑い地域であり、木の下や大きな塀の下の日陰になっているところで人が気持ち良さそうに休んでいた。素直にそういう場所をつくったらいいと思った。全体的に日陰の気持ちのいいスペースになることをめざしている」(田中氏)。
「建物と人、建物と自然が近くなれるような建築を信条にしている。なるべく地域にある文化や伝統をすくいあげて、建築をつくる。そうすることでそこでしかできないような体験やテクスチャーなど空間に入らないとわからないことが実現できる。アイデンティティを再認識してもらう場所になればという思いがある」(中本氏)。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
紫泥堂ファームレストラン
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所在地: | 中国 広東省 仏山市 順徳区 |
用途: | 飲食(複合施設) |
構造: | 組積造+鉄骨補強 |
設計: | Studio YY |
建築面積: | 232㎡ |
延床面積: | 569.6㎡ |
竣工予定: | 2017年3月 |

中本 剛志 (なかもと つよし)
1977年鳥取県生まれ。
カリフォルニア州立工科大学卒業後、
Asymptote, REX, OMA を経て帰国。
NAP建築設計事務所勤務後、
Studio YY設立。
田中 裕一 (たなか ゆういち)
1982年福島県生まれ。
横浜国立大学院Y-GSA卒業後、
オランダNL Architects、
NAP建築設計事務所を経て、
Studio YY設立。
Studio YY
2014年設立
2016年 SD Review 朝倉賞受賞