京都市美術館再整備計画
設計:青木淳・西澤徹夫設計共同体文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

〈南東鳥瞰図〉
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日本最古の公立美術館の改修、新館建設による再整備計画。「可逆性」で将来を見据えつつ、時代のニーズに応えることをめざしたプロジェクト。
西澤徹夫氏が手掛けているのは京都市美術館の再整備計画だ。2015年に京都市が実施した公募型プロポーザルに青木淳氏との共同設計体で応募し、設計者に選ばれた。
クラシカルな本館に現代的なガラスのファサード、素材は変えながらも色調を合わせた新館外壁など、オリジナルを尊重しながら大胆なデザインも。
「提案で強調したのは文化財として保存するために既存の躯体を傷めないことだ。かつ50年後100年後に要件が変わって別のものをつくらなければならないといった時のことを考慮し、新設との完全な一体化など元に戻せない状況をつくらないようにした。つまり可逆性をテーマした。このようにオリジナルは残そうと考えているが、大胆に手も入れる」(西澤氏)。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
京都市美術館再整備計画
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所在地: | 京都府京都市左京区岡崎 |
用途: | 美術館 |
構造: | 本館:鉄筋コンクリート造、 一部SRC造、鉄骨造 地下1階、地上2階 新館:鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造 地下1階、地上2階 |
設計: | 青木淳・西澤徹夫設計共同体 |
建築面積: | 8,441㎡ |
延床面積: | 約19,950㎡ |
竣工予定: | 平成31年度 |

西澤 徹夫 (にしざわ てつお)
1974年 京都府生まれ
2000年 東京藝術大学美術研究科建築専攻修了
2000-2005年 青木淳建築計画事務所
2007年 西澤徹夫建築事務所開設
東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーリニューアル(2012年)、京都市美術館再整備計画(2015年~)、八戸市新美術館基本設計(2017年~)、展覧会会場デザイン多数