真鶴出版2号店
tomito architecture文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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町民はもちろん、移住者、観光客など、皆が集える地域情報発信拠点として、まちの「関係人口」増加を目指す。
tomito architectureの冨永美保氏と伊藤孝仁氏が手掛けているのは地域の情報発信拠点づくりだ。
3棟の建物と倉庫からなる木造民家を改修、外構や建物のくぼみを積極的にデザインしながら、内外を縫い合わせるように計画。
「ホストとゲストの関係を空間が明確に示さない方がいい、道を歩く人と内部の人の視線が合わない方がいいなど、クライアントからは具体的な言葉やシュチエーションで要望をもらえている。様々な居場所があり、それらの中間に立つ出版社があるというゆるやかな空間の形式にする。内部で起こることとともに、道を通る人がどのような体験をするかを一緒に考えながら設計している」(冨永氏)。
「パターンランゲージを応用した 景観ガイドラインであり、生活や営みなど人間の行為、場の共有の在り方について論じている。アイデア集のようにみえた」(冨永氏)。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
真鶴出版2号店
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所在地: | 神奈川県足柄下郡真鶴町 |
用途 | 出版社2号店+キオスク+宿 |
設計: | tomito architecture |
構造: | TECTONICA |
施工: | 原田建築 |
階数: | 地上2階 |
構造: | 木造 |
工期: | 2018年4月〜 |
トミトアーキテクチャ / tomito architecture
冨永美保と伊藤孝仁による建築設計事務所。2014年に結成。
日常への微視的なまなざしによって環境を丁寧に観察し、出来事の関係の網目の中に建築を構想する手法を提案している。
主な仕事に、丘の上の二軒長屋を地域拠点へと改修した「カサコ/CASACO」、都市の履歴が生んだ形態的特徴と移動装置の形態を結びつけた「吉祥寺さんかく屋台」などがある。

冨永美保
1988年 東京生まれ
2011年 芝浦工業大学工学部建築工学科卒業
2013年 横浜国立大学大学院Y-GSA修了
2013~15年 東京藝術大学美術学科建築科教育研究助手
2014年 トミトアーキテクチャ設立
現在 慶応義塾大学、芝浦工業大学、関東学院大学非常勤講師
伊藤孝仁
1987年 東京生まれ
2010年 東京理科大学工学部建築学科卒業
2012年 横浜国立大学大学院Y-GSA修了
2012~13年 乾久美子建築設計事務所勤務
2014年 トミトアーキテクチャ設立
2015年〜 東京理科大学工学部建築学科設計補手