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file.1 歪みを克服する GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case1:金沢21世紀美術館
〔ガラス外周壁〕 Top
金沢21世紀美術館平面図 金沢21世紀美術館概略 設計者インタビュー
金沢市21世紀美術館建設事務局インタビュー
半径56.5mの透明な円筒を生み出す技術
どこまで真の透明な円筒に近づくか――透明性の高い板ガラスがフレームレスに半径約56.5mの正円を構成する精度の高さが求められた。呼び厚さ39.6ミリ、高透過ガラスでは世界初最大寸法、高精度曲げ合わせガラスの実現。
DATA
■外周壁ガラス仕様
種別:高透過ガラス『クラリティア』
板厚:19ミリ×2――合わせガラス
サイズ:約3000×4500mm
南西側外壁
南西側外壁
 金沢21世紀美術館の建築の最大の特徴ともいえる、正円のガラス外周壁。360度どこからでも視線が通る透明の筒を実現するためにいくつかの技術が駆使された。選ばれた素材は19ミリの高透過ガラス『クラリティア』による2枚合わせガラス。この合わせガラスは一般的なフロート合わせガラスの約1.2倍の可視光透過性能をもち、今回のような厚板の場合、透過度の優位性がはっきり現れる。しかしこのガラスは加熱時の均一な熱分布がフロート板ガラスに比べ難しく、加工には多くの試行錯誤が重ねられた。グレイジングは上下二辺支持。縦目地約18mmのクリアランスをコーキングで納めている。ガラスの分割を最小限にとどめるため、ガラスのサイズは約3m×4.5m。これを半径約56.5mの正円のパーツにするために、弧高寸法約20mmという浅い曲げ加工を施している。このサイズの板ガラスを両端で支え水平に置いた場合の自重による中央部自然撓み量は約13mmであるため、非常に浅い曲げ加工といえる。このガラスは曲率の精度が低いと目地部分で波打つ曲面となってしまう。精度を確保した上で正確に左右を合わせて施工することが求められた。個々のガラスにはわずかなねじれや反りなどが避けられない。そのため合わせガラスの生産時からそれぞれ固有の合番が振られて、そのデータを施工時に引きつぎ、微調整を行いつつ、上下に設置された金属サッシにとりつけられた。合わせガラスの中間膜には耐水性に優れるAB膜(特殊EVA膜)1.6ミリ厚のものが用いられている。高透過ガラス仕様の呼び厚さ39.6ミリでは世界初の最大寸法の曲げ合わせガラスである。
南東側外壁
南東側外壁
写真:新建築社
外周ガラス上部サッシ周りディテール
外周ガラス上部サッシ周りディテール
外周壁上部の見付け 外周ガラス上部サッシ周りの収まり
外周壁上部の見付け 外周ガラス上部サッシ周りの
収まり
外周ガラス下部サッシ周りの
収まり 外周ガラス平面符号図(一部)。半径56.49mの正円上に、R56.49mの曲率をもつ外周ガラスが122枚連続する。生産チームと施工チームの連絡のため、合番号が振られている。
外周ガラス下部サッシ周りの
収まり
外周ガラス下部サッシ周りディテール
外周ガラス下部サッシ周りディテール
外周ガラス平面符号図(一部)