file.3 フーレムレスのためのカラクリ GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case1:金沢21世紀美術館
[光庭] Top
金沢21世紀美術館平面図 金沢21世紀美術館概略 設計者インタビュー
金沢市21世紀美術館建設事務局インタビュー
フレームレスな光のキューブをデザインする
中庭は、フレームや方立ての無いガラス面で囲むことで光のキューブとしての意匠が成立する。そのために高さ約4.5mのガラススクリーンを上下の2辺支持で実現。
DATA
■光庭ガラス仕様
種別:高透過ガラス『クラリティア』
板厚:15ミリ×2——合わせガラス
サイズ:約3000mm×4500mm
光庭2全景
光庭2全景
 金沢21世紀美術館には全面ガラス壁で囲まれた4つの中庭がある。そのガラス壁にはフレームもリブも巾木も無く、光に満ちたガラス・キューブが館内に差し込まれているようなデザインが実現している。そのためにガラス壁を天井と床の2辺のみの支持となっている。垂直方向の目地は約18mmのクリアランスをとって突き合わせの上コーキング。ガラスの荷重はすべて下辺が負い、上辺はガラスを固定する役割を担っているが、垂直方向のサイズが大きくなるとガラスの自重でのタワミ発生のリスクが増大する。合わせガラス製造時の自然タワミ量(反り)はJIS規格では長さの0.3%以内に抑えることを求められているが、縦フレームのない場合には反りや施工時のタワミが相互に影響し、全くの平面を構成するのが難しい。隣り合わせるガラスに目違いが生じ、きれいな平面にならないのである。これを回避するためには、サッシで垂直方向も支持するか、縦リブを設置することが一般的だが、この中庭のフレームレス施工では、それぞれのガラスの反り方向を確認し目違いが強調されない組み合わせや方向を事前に計画するなど、高度な施工技術を駆使している。ここでは15ミリ+15ミリの合わせガラスの仕様、最大寸法一枚あたりの重量は約1350kgとなっている。
光庭2の出入口扉 光庭2の出入口扉
光庭2のガラス壁下部
光庭2のガラス壁下部
光庭の出入口扉のサッシにも、リブなどの支持部材は省略されている。2400mm×2400mmの観音開きの大扉を開いた時にはサッシやガラスに曲げモーメントがかかるが、下カマチがスラブに固定されているのみで、サッシやガラスの強度に期待されている。
光庭ガラス壁面断面詳細図
光庭ガラス壁面断面詳細図