file.4 ガラスによるインテグレーション GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case1:金沢21世紀美術館
[ホワイエ吹抜けフェンス] Top
金沢21世紀美術館平面図 金沢21世紀美術館概略 設計者インタビュー
金沢市21世紀美術館建設事務局インタビュー
吹抜けフェンスとスラブ断面の一体化
吹き抜け階段でよく見る光景は、スラブから立ち上がるフェンスと、スラブをカバーするスパンドレル。ここではその両方を一体化した1枚の大ガラスが使われた。
DATA
■吹抜けフェンスガラス仕様
種別:強化ガラス
板厚:12ミリ+12ミリ
   ——合わせガラス
サイズ:約1485mm×5535mm
■エレベータケージガラス仕様
種別:強化ガラス
ケージサイズ:1500×1900×2400mm
南西側外壁
西側ホワイエ2の吹抜け全景
 金沢21世紀美術館西側、本多通り口エントランスと逆側の入口ホワイエ2には、地階へ通じる大階段とエレベータが設置されている。ここは大きな吹抜けになっているが、フェンスやエレベータにガラスが多用され、視線が抜けるようなデザイン。なかでも吹抜けフェンスとスラブの断面をカバーする部分は1枚の大ガラスで特徴的な構成がとられている。部材要素を少なくしてミニマルな意匠とすることに一役かっている。設置方法は、スラブ位置に水平に並ぶ2つの点金物でガラスを固定し、同時に下辺で支える構法をとる。フェンス下部には、下からの視線をさえぎるために床面から約600mm弱の位置まで乳白フィルムが貼られている。
 またエレベータのケージも床部分以外はフレームレスなガラスのみのDPGで構成されている。これは地階から伸びている油圧式昇降機で稼動するので、金属製のガイドやワイヤーなどの部材が露出することが無い。したがってこのガラスの箱はまとわりつく目障りなものも無く、宙を浮くようなデザインに仕上がっている。
南東側外壁
西側ホワイエ2の吹抜け部のフェンス
ガラスフェンスは、1階スラブにテンポイントの技術を活用したバリエーションのひとつで固定される。またガラスの荷重はガラス下端のフレームで受けている。 ガラスフェンスは、1階スラブにテンポイントの技術を活用したバリエーションのひとつで固定される。またガラスの荷重はガラス下端のフレームで受けている。 吹抜けフェンスの一部はエレベータ入口になっている 地階から油圧式昇降機で稼動するエレベータは床以外全面ガラスで構成される。
吹抜け部フェンスを支えるテンポイントの技術を活用したバリエーションのひとつ
吹抜け部フェンスを支えるテンポイントの技術を活用したバリエーションのひとつ   吹抜けフェンスの一部はエレ
ベータ入口になっている
地階から油圧式昇降機で稼動するエレベータは床以外全面ガラスで構成される。