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file.15 展示空間を作る:床下展示 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case3:国立科学博物館新館
[パーティション・ガラス] Top
国立科学博物館新館平面図 国立科学博物館新館概略 国立科学博物館新館展示設計者インタビュー
ガラス耐久床の施工による床下展示の効果
一般的な空間では行われない、足下の対象物とのコミュニケーション。床が荷重を引きうける構造体でありながら、視線を通すことではじめて成立する展示の形式だ。決して目新しい技術ではないが、その意匠的な効果を改めて考える。
DATA
■ 床ガラス仕様
[3F「大地を駆ける生命」床ガラス]
種別:フロート強化合わせガラス
板厚:強化ガラス12ミリ+強化ガラス12ミリ
3F「大地を駆ける生命」ガラスの鑑賞床 「大地を駆ける生命」に大きく貫入したガラス床フロア
3F「大地を駆ける生命」ガラスの鑑賞床  Photo: Koji Okumura
「大地を駆ける生命」に大きく貫入したガラス床フロア。哺乳類群の標本を真上から鑑賞できる。
 3F「大地を駆ける生命」展示のおおきなガラスの囲みは、それでひとつの哺乳類の世界を表現する演出であるが、 一方で大きすぎるために中の標本との距離が大きくなってしまうデメリットもある。 その距離を縮めようとする操作が床下展示だ。 3Fフロアは天井高が高い。その長所を活かし、オーバルのガラスパーティションに貫入するようにガラス床が張り出され、メゾネット・フロアがつくられている。 この演出で、標本との距離がぐっと縮まるのだが、その接近の仕方には意外性があって、大きな剥製を真上から見下ろす体験ができる。
 標本の上を空中浮遊できる仕掛けとも言えて、このガラス床の支持構造などをより目立たせずガラス面積を大きくすることも可能であろう。 しかし、鑑賞者に安心感を確保するため、この柱梁の存在はある程度残す必要があるという設計上の意図もある。
 足下のさらに下を見下ろす行為は、日常生活に通常存在しないからこそ、展示空間では新鮮な体験として使われる演出だ。 しかし近年その技術は住宅でもしばしば見られる。 床下展示という情報体験の仕掛けが、日常生活では光を通す構造体として、快適な空間を生み出す演出にも一役かっている。