脱炭素ビルリノベ事業

既存の業務用建物の省エネルギー改修で
交付される補助金

脱炭素ビルリノベ事業とは

脱炭素ビルリノベ事業とは、商業施設や教育施設といった既存の業務用建物における省エネルギー改修や省エネルギー機器導入を支援することで改修を促し、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献することを目的としています。

ポイント

補助金事務局

環境共創イニシアチブ(SII)

性能要件

  • 1「断熱窓」、「断熱材」の導入により、改修後の外皮性能BPIを1.0以下にすること。(改修前の外皮性能BPIが既に1.0以下の場合は必須ではない)
  • 2対象となる建築物と削減目標 ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等の一次エネルギー消費量が、「高効率空調」、「制御機能付きLED照明器具」の導入により、省エネルギー基準から30%又は40%以上削減されること。なお、改修前のBPIが既に1.0以下の場合は、改修後の一次エネルギー消費量が省エネルギー基準から40%又は50%以上削減されること。

予算規模

2024年度から2026年度 計316億円

補助金の対象

外皮(断熱窓と断熱材)と高効率空調と制御機能付きLED照明器具とエネルギー管理システム

開口部の性能値の基準

ガラス交換 Ug1.9以下又はUw3.5以下(内窓設置はUw1.9以下)

補助金の単価

ガラス交換 Aランク(基準値)で14,000円/㎡

補助金の上限と下限

上限10億円 下限5百万円 1事業者当りの申請件数の上限は5件

その他

補助対象事業者は事業報告時に建物全体及び設備区分毎の1年間分のエネルギー使用量を5年間に渡って報告する。

対象となる建築物

環境共創イニシアチブ(SII)が運営し、既存業務用建築物の脱炭素化を早期に実現するため、外皮の高断熱化及び高効率設備の導入を支援します。

対象建築物 具体例
事務所等 事務所 、官公署
ホテル等 ホテル、旅館
病院等 病院、老人ホーム、福祉ホーム ※2
百貨店等 百貨店、マーケット
学校等 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校
飲食店等 飲食店、食堂、喫茶店
集会所等
図書館 図書館、博物館
体育館 体育館、公会堂、集会場、ボーリング場、劇場、アスレチック場、スケート場、公衆浴場、競馬場又は競輪場
映画館 映画館、カラオケボックス 
  • ※1 その他これらに類する用途に供されるとSIIにおいて判断される建築物。
  • ※2 サービス付き高齢者向け住宅等の施設は、建築確認申請の建物用途が非住宅の場合に限り申請可能とする。

ちなみに、以下の建築物は対象にならないので注意すること。
工場等( 工場、畜舎、自動車車庫、自転車駐車場、倉庫、卸売市場、火葬場等)、集合住宅(賃貸、分譲問わず)、寮、戸建住宅、別荘等

補助対象事業

改修前のBPI※が1.0超の場合は必ず断熱窓・断熱材のうち少なくともどちらか一方を導入しなければなりません。

Step 内容 補助対象 基準値 改修後の性能
Step1 外皮の
高断熱化
断熱窓
  • ガラス交換
  • 外窓交換(カバー工法)
  • 外窓交換(はつり工法)
  • 内窓設置
熱貫流率 W/(㎡・K)
Ug 1.9以下又は
Uw 3.5以下(内窓設置はUw 1.9以下)
改修後の外皮性能BPI※1.0以下

改修前の外皮性能BPIが既に1.0以下の場合はSTEP1は必須ではない。
断熱材
押出法ポリスチレンフォーム断熱材 、グラスウール断熱材、ロックウール断熱材、硬質ウレタンフォー他
断熱材に応じて基準熱伝導率を設定
Step2 高効率設備の導入 高効率空調
電気式パッケージエアコン(業務エアコン)・ガスヒートポンプエアコン・チリングユニット・吸収式冷凍機・ターボ冷凍機
性能区分に応じて基準値を設定 改修前のBPIが1.0超の場合(又は不明な場合)ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は一次エネルギー消費量30%、事務所等・学校等は40% 以上削減されること。

改修前のBPIが既に1.0以下の場合ホテル等・病院等・百貨店等・飲食店等・集会所等は一次エネルギー消費量40%削減、事務所等・学校等は50% 以上削減されること。
制御機能付きLED照明器具
無線式兆候制御設備・有線式調光制御設備・人感・明るさセンサー付兆候制御設備
性能区分に応じて基準値を設定
  • ※【BPI (Building Palster Index)】 BPIとは、省エネ法改正に伴い設けられたPAL * (パルスター)により算出される年間熱負荷の基準を指す。BPI の定義は以下の式で表す。BPI=設計PAL*/基純PAL* ※ PAL*は、建物の屋内周囲空間の床面積当たりの年間熱負荷のこと。
内容 補助対象 要件
エネルギー管理システムの導入 エネルギー管理システム(「BEMS」) 原則、空調や照明等の設備区分毎 にエネルギーの計測・計量を行い、データを保存・表示・分析評価できること。補助事業完了、事業報告時に建物全体のエネルギー使用量 (計測・保存データ粒度30分以内を必須とする)と、設備区分毎のエネルギー(電力・ガス・油等)使用量(計測・保存データ粒度は30分以内)を月単位で取りまとめ、年に1度、5年間報告を行うこと。

窓改修の性能要件と補助金額

改修方法 補助単価設定の考え方 性能値
熱貫流率 [W/(㎡・K)]
窓面積当たりの補助金額
(円/㎡)
ガラス交換 SSランク Ug1.1 以下 又は Uw2.3 以下 21,000
Sランク Ug1.5 以下 又は Uw2.9 以下 17,000
Aランク(基準値) Ug1.9 以下 又は Uw3.5 以下 14,000
外窓交換
(カバー工法はつり工法)
SSランク Ug1.1 以下 又は Uw2.3 以下 47,000
Sランク Ug1.5 以下 又は Uw2.9 以下 40,000
Aランク(基準値) Ug1.9 以下 又は Uw3.5 以下 36,000
内窓設置 SSランク Uw1.1 以下 38,000
Sランク Uw1.5 以下 29,000
Aランク(基準値) Uw1.9 以下 23,000
  • ※ 性能値の基準、および補助金額は2024年4月段階の情報であり、予告なく変更される場合があります。詳しくはSIIホームページ脱炭素ビルリノベ事業 (bl-renos.jp)でご確認願います。

対象となるガラス仕様例

改修方法 Uw値 Ug値 Ug値を基準とした対象となる
ガラス仕様例
窓面積当たりの
補助金額(円/㎡)
ガラス交換 SSグレード 2.3 1.1 ガス入りLow-E複層(Ar16以上) 21,000
Sグレード 2.9 1.5 Low-E複層(A13以上)、ガス入りLow-E複層(Ar9以上) 17,000
Aグレード 3.5 1.9 Low-E複層(A9以上)、ガス入りLow-E複層(Ar8以上) 14,000
外窓交換
(カバー工法はつり工法)
SSグレード 2.3 1.1 ガス入りLow-E複層(Ar16以上) 47,000
Sグレード 2.9 1.5 Low-E複層(A13以上)、ガス入りLow-E複層(Ar9以上) 40,000
Aグレード 3.5 1.9 Low-E複層(A9以上)、ガス入りLow-E複層(Ar8以上) 36,000
内窓設置 SSグレード 1.1 *真空ガラス 38,000
Sグレード 1.5 *Low-E複層(A12以上)、ガス入りLow-E複層(Ar10以上) 29,000
Aグレード 1.9 Low-E複層(A5以上) 23,000

中空層厚みは、サンバランスアクアグリーンの場合を示す。
内窓は、二重窓としてUw値に適合する内窓のガラス仕様例。*サッシメーカー情報。

  • ※ 性能値の基準、および補助金額は2024年4月段階の情報であり、予告なく変更される場合があります。詳しくはSIIホームページ脱炭素ビルリノベ事業 (bl-renos.jp)でご確認願います。

対象商品

サンバランス(汎用品ガラス)

ペヤプラス(アタッチメント付ペア)

現場施工型Low-Eガラス アトッチ

まどまど(内窓)

補助対象事業者

  • 建築物所有者が、補助対象事業者となる。
  • 建築物所有者が、環境競争イニシャチブ(以下SII)が実施する 補助対象事業者の公募に電子申請で応募する。
  • SIIは補助対象事業者の審査を実施する。
  • 補助金は、SIIから補助対象事業者に支給される。

図:補助対象の流れ

補助対象事業者は、事業報告時に建物全体及び設備区分毎の1年間分のエネルギー使用量を5年間に渡って報告する。
事業完了後5年間のエネルギー使用状況と、設備等の導入効果等について、事業報告書及びBE MS計測データ(ローデータ) をBEMSデータ報告サイトからSIIが指定する形式で提出。改修前の直近の年度単位(4月~3月)のエネルギー(電力・ガス・ 灯油等)の使用量(利用明細)も中間報告までにSIIへ提出。

補助金申請事業者

a民間企業
b個人事業主(原則、青色申告者に限る)
c独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人
d地方独立行政法人法(平成15年法律第108号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人
e国立大学法人、公立大学法人及び学校法人
f社会福祉法(昭和26年法律第45号)第22条に規定する社会福祉法人
g医療法(昭和23年法律第205号)第39条に規定する医療法人
h一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人
i地方公共団体
jその他環境大臣の承認を得てSIIが適当と認める者

a民間企業のうち令和2年度CO2排出量が20万t以上の民間企業(以下「多排出企業」という。)については、
令和6年6月30日までに、

(ⅰ)令和7年度及び令和12年度の国内におけるScope1(事業者自ら排出)・Scope2(他社から供給された電気・熱・蒸気の使用)に関するCO2排出削減目標を設定し、公表すること。
令和6年度以降毎年度の排出実績及び目標達成に向けた進捗状況を、第三者による検証を経て、毎年度公表すること。

(ⅱ)(ⅰ)で掲げた目標を達成できない場合にはJクレジットもしくはJCMその他国内のCO2排出削減に 貢献する適格カーボン・クレジットを調達する、又は未達理由を公表すること。
CO2排出削減のための取組の実施について表明するかGXリーグに参加しなければならない。

スケジュール

公募期間

2024年3月29日~2024年11月29日

事業開始日

交付決定日を事業開始日とする

契約日・発注日

契約・発注行為は必ず交付決定日以降に行う

事業完了日(単年度)

原則2025年1月31日までに完了させること
導入した補助対象設備を検収のうえ、事業に関わる補助対象経費の支払いが完了する日を事業 完了日とする

事業完了日(複数年度)

各年度3月末までに必要な補助金を、SIIが定める期日までに報告し、概算払請求 を行うこと。
最終年度は、その年度の1月末までに補助事業を完了させること。

複数の用途を含む建築物の申請について

複数の用途を含む建築物を申請する場合は、建物用途毎にBEIを達成すること。
複数用途建築物の一部を申請する場合は、建物全体(評価対象外を含む非住宅部分)で20%以上を削減すること。

  • ※ 判断がつかない場合は、SIIへ相談すること。

「脱炭素ビルリノベ事業」サイト

最新情報及び詳しい説明は下記にてご確認ください。

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