カラーラミセーフ
注意事項・品質保証等
ガラスを安全に末永くお使いいただくために
ガラスを安全に末永くお使いいただくために、板ガラス製品全般に関係する注意事項をまとめました。
カタログをご利用になる際、是非ご確認ください。
また、各商品グループ・商品に特有の注意事項に関しては、各製品の「設計・施工上のご注意」でも詳細にご説明しています。
併せてご確認をお願いいたします。
ガラスが破損しますと、ガラスの破片で人が重傷を負ったり、時には死亡したりする場合があります。 ガラス周辺の設計に際しては、破損事故の危険性を最小限にするため、「ガラスを安全に末永くお使いいただくために」をご確認ください。
警告マークを付した項目は、ガラス破損などによる事故防止のために、特に重要な事項が説明されています。必ずご一読いただきますようお願いいたします。
注意マークを付した項目は、商品の劣化などを防止するための品質保持に関する事項が説明されています。
ガラスの品種・呼び厚さ・納まりのご設計にあたっては、下記事項をご考慮ください。
- ・商品仕様を十分ご確認の上、商品を選択してください。
- ・省エネ・安全・防火・意匠など、求められる機能からガラスの「品種」をお選びください。
- ・ガラスの使用部位・寸法などの条件から、必要な技術検討を実施いただき「呼び厚さ」をお選びください。
- ・呼び厚さ・最大寸法などの品揃えは、ガラスの品種ごとに異なりますので、商品の「ラインナップ」「バリエーション」欄および「製品の種類と寸法一覧表」の最大・最小、規格寸法を今一度ご確認ください。
- ・ガラスを安全に末永くお使いいただくため、「納まり」などガラス周辺のご検討も合わせてお願いいたします。
- ・商品の仕様によって、その商品独自のご注意のみならず、商品を構成するガラス素板それぞれのご注意にも併せて配慮いただく必要があります。
設計上のご注意
ガラスの強度検討
外力によるガラスの破損を防止するために、必要に応じて次の(1).(5)の強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。
- (1)風圧に対する強度検討
例えば、窓や外部ドアなど、風圧を受ける部位にガラスを使用される場合は、強風によるガラスの破損を防止するため、耐風圧強度をご検討の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。〈技術資料編4- 1参照〉
- (2)衝撃に対する強度検討
例えば、住宅のテラス窓・学校の窓・公共施設の玄関ホールなど、人体または飛来物による衝撃が予想される部位にガラスを使用される場合は、ガラス破損による事故を防止するために、「所定の衝突力に対して割れないガラス」または「割れても安全なガラス(合わせガラス、強化ガラス)」をご選定ください。〈技術資料編4- 3・4- 4・4- 5参照〉
- (3)傾斜面でガラスを使用する際の強度検討
例えば、トップライトや傾斜面の窓など、垂直以外の角度でガラスを使用される場合は、風圧・積雪荷重・ガラス自重の組み合わせによるガラスの破損を防止するため、特別な強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。また、万一破損した場合のガラス破片落下による事故を防止するため、合わせガラスの使用・飛散防止フィルム貼付・網入板ガラスの使用など、落下防止措置を必ず講じてください。〈技術資料編4- 2参照〉
- (4)特殊な荷重を受ける場合の強度検討
例えば、棚板や床など、特殊な集中荷重を受ける部位にガラスを使用される場合は、特殊支持条件のもとでの強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。また、床材としてガラスを使用される場合は、ガラス破損時の人体落下事故を防止するため、必ず強化合わせガラスをご選定いただき、万一、ガラスが1枚破損した場合でも、非破壊のガラスで設計荷重に耐えられるようにご設計ください。〈技術資料編4- 2参照〉
- (5)水圧に対する強度検討
例えば、水槽やプールののぞき窓のように、長期にわたって水圧を受ける部位にガラスを使用される場合には、万一のガラス破損時でも二次的損害を防止できるように特別な考え方に基づく強度検討を必ず実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。〈技術資料編4- 8参照〉
熱割れを防止するための検討
例えば、熱線吸収板ガラス・熱線反射ガラスなどの日射吸収率の高いガラス、網入板ガラス・呼び厚さの厚いガラスなどのエッジ強度の比較的小さいガラスを使用される場合、網入板ガラスを用いた複層ガラスなど※を使用される場合は、日射によるガラスの熱応力破壊(熱割れ)を防止するため、熱割れ強度をご検討の上、ガラスの品種・呼び厚さ・窓枠の種類・窓枠への納まり・カーテンやブラインドの種類などをご選定ください。
また飛散防止や遮熱・遮光などの機能を持ったフィルムなどを貼る場合は、必ずフィルムメーカーにて熱割れ計算を行ってください。
- ※
- ・熱線反射ガラスと網入板ガラスを用いた合わせガラス・複層ガラス
- ・Low-Eガラスと網入板ガラスからなるサンバランス
- ・フロート板ガラスと網入板ガラスからなる複層ガラス〈技術資料編4-6参照〉
地震時のガラス破損を防止するための納まり検討
地震時の建物の変形(層間変位)によって窓枠が変形する場合、はめ込み枠とガラスとのエッジクリアランスによって変形を吸収して、ガラスの破損を防ぎます。窓枠の変形量に対して十分なエッジクリアランスを確保してください。〈技術資料編4- 7参照〉
日本建築学会ではエッジクリアランスなどの標準的な寸法について、「建築工事標準仕様書17番ガラス工事(JASS17)」に基準を定めています。〈総合カタログ商品編第15章「板ガラスの納まり寸法標準」参照〉
また、硬化性パテを用いたグレイジングでは、はめ込み枠とガラスとの変形を拘束して破損の原因となります。弾性シーリング材、またはグレイジングガスケットによるグレイジングをご採用ください。
雨水などによるガラスの品質低下を防止するための納まり検討
網入・線入板ガラス、複層ガラス、合わせガラスを使用される場合には、雨水などによる下記の品質低下を防止するため、止水性・排水性が確保できる納まりとしてください。特に、ガラス小口を露出するような納まりや、水抜き孔のないサッシ、ビード、ガスケットの使用は避けてください。〈「板ガラスの納まり」および各商品の「設計・施工上のご注意」参照〉
- (1)網入・線入板ガラス→線材が錆びてエッジ強度を低下させ、錆割れや熱割れの原因となります。
- (2)複層ガラス→封着材が劣化して中空層内結露の原因となります。
- (3)合わせガラス→特殊フィルムが劣化して白濁(白っぽく変色する)や膜剥離の原因となります。
ガラスの加工に関するご注意
- (1)切り欠き加工、孔明け加工
切り欠き・孔明け加工をすると、切り欠きの入り隅部・孔部の強度が著しく低下する場合があります。外力のかかる部位にはご使用にならないでください。やむを得ずご使用になる場合は、強化ガラス・強化合わせガラスなどをご使用ください。
- (2)フロスト加工
フロート板ガラスの表面をフロスト加工すると曲げ強度は型板ガラスと同程度の水準に低下します。耐風圧設計にあたっては、型板ガラスの強度係数を用いてください。
- (3)強化加工、倍強度加工、合わせ加工、複層加工
ガラスの品種によって、加工できないものがあります。
〈テンパライト〉(強化)〈HSライト〉(倍強度)〈ラミセーフ〉(合わせ)〈ペアガラス〉(複層)の各商品ページをご覧ください。
その他のご注意
- (1)水掛かり部分にガラスをご使用になる場合
噴水、浴室、冷却塔周辺など、ガラス表面で水分の濡れと乾燥が繰り返されるような部位に使用しますと、ガラスからの溶出成分と空気中の炭酸ガスが反応固着するなどして、ガラス表面を白濁させてしまいます。固着物を取り除くためには、表面を機械的に研磨するしか方法はなく、状態によっては取れなくなる場合もあります。
- (2)ガラスを傾斜面でご使用になる場合
トップライトなどでガラスを傾斜面で使用する場合、夏場日中など太陽高度の高い時間帯の日射が、水平に近い角度で反射した場合、周囲の人の目に入り眩しさを感じさせる可能性があります。太陽の反射光が周囲の建物などに影響を与える場合、設計段階からメーカー、施工業者とも相談の上、周辺の迷惑にならないよう、ご検討いただくようお願いいたします。なお、AGCアメニテック(株)では、反射光軌跡シミュレーションを有料でお受けしております。〈技術資料編9- 1参照〉
- (3)その他の特殊なご使用方法については、その都度安全性をご確認ください。
施工上のご注意
納まりの確認
施工されるガラス品種・呼び厚さに適した納まりになっているかどうか、下記事項に関してご確認をお願いします。〈「板ガラスの納まり」、各商品の「設計・施工上のご注意」、「板ガラスの納まり寸法標準」参照〉
- (1)ガラス品種に応じた構法となっているかどうか。
- (2)所定のかかりしろ、クリアランスが確保できているかどうか。
- (3)セッティングブロック、バックアップ材、シーリング材、グレイジングガスケットなどが適切に選定されているか。
採寸・ご発注
次のガラスは現場切断が不可能または困難なため、正確な寸法で原寸発注をお願いします。
強化ガラス、倍強度ガラス、複層ガラス、合わせガラス、呼び厚さの厚いガラス(8ミリ以上)
切断、面取りなどをされる場合
- (1)ガラスは、できるだけきれいに切断(クリーンカット)してください。
- (2)糸面取りや切り口修正などでサンダーを使用する場合は、#120以上のできるだけ細かい番手のものをご使用ください。また、グラサード用ガラス、熱線反射ガラス、二辺支持のガラスなど、エッジ強度を確保するために特別な面取り加工を施してある製品の小口を損傷してしまった場合の修正は、当該面取り加工と同等の加工が必要となります。
はめ込み溝の確認
はめ込み溝内部に、地震時にガラスエッジに接触するビスなどの突起物がないかどうか、また、水抜き孔が塞がっていないかどうかをご確認ください。
養生
- (1)ガラスに「ガラス注意」などの貼り紙を貼る場合には、マスキングテープなどをご使用ください。でんぷん質系の糊は、ガラス表面剥離の原因になりますのでご使用にならないでください。
- (2)ガラスのはめ込み後、吹き付け材などの汚れが付くおそれのある場合には、塩ビシートなどをガラス面に張り付けて養生してください。
- (3)ガラスのはめ込み後、溶接火花がかかるおそれのある場合は、薄鋼板または合板などで必ず養生をしてください。溶接火花による傷は補修できません。
使用・メンテナンス上のご注意
ひび(クラック)の生じたガラスは放置しないでください。
ガラスに生じたクラックは、それが小さいものであっても強度を著しく低下させます。
クラックの生じたガラスは、手で軽く押したり、比較的弱い風が吹いただけで破損することがありますので、放置せずにできるだけ早い時期にガラスをお取り替えになることをお薦めいたします。また、ガラステーブル天板・強化ガラスドアの周辺部などの特殊な面取り加工を施したものを除いて、一般にガラスのエッジ部分は非常に鋭利で危険です。ガラスのお取り替えにあたっては、専門の工事業者様へご用命ください。
トップライトなどのガラスの上には、絶対に乗らないでください。
トップライトなどに使用されているガラスは、通常、人体による集中荷重に対する強度検討は実施されていません。例えば、トップライトガラスを清掃する際など、ガラスには絶対に乗らないでください。
網入板ガラスや合わせガラスを使用している場合でも絶対に乗らないでください。
ガラスの熱割れにご注意ください。
次のような行為は、ガラスの温度上昇や温度の不均一な部分が生じるため、「熱割れ」の原因となります。
- ・飛散防止や遮熱・遮光などの機能をもったフィルムを貼ること
- ・ガラス面に密接して物を置いたり、立て掛けたり、衣類、クッション類を干したりすること
- ・段ボール箱などを室内ガラス面に近づけて置くこと(一時的な仮置きも含む)
- ・ロッカーやパーティション、家具などをガラス面に近づけて設置すること
- ・カーテンやブラインドなどをガラスの全面もしくは一部に密接させること(束ねたときも)
- ・冷暖房の吹き出し空気や熱を直接ガラス面に当てたり、強い照明を当てること
- ・窓ガラスに紙などを貼ったり、ペンキなどをぬること
- ・窓ガラスに特殊な影を落とすこと(設計段階で考慮されたものを除く)
熱線反射ガラスの傷
熱線反射ガラスなどのコート面を、硬いものでこすると傷がつきます。一度ついた傷は補修ができませんのでご注意ください。
ガラス防煙壁の落下にご注意ください
ガラス防煙壁は、法令が定める定期的な点検において、き裂、破損、変形等がないことを確認することが求められています。地震等による大きな外力を受けた場合には、吊り棒が破断する可能性もありますので、定期的な点検の際には、ガラスの割れ・ヒビ等の外観異常だけではなく、ガラス列の傾きや化粧材の変形、シーリング材及びガスケット等の経年劣化についても、目視による点検を実施してください。
点検により異常が発見された場合には、速やかに補修、交換をお願いします。
点検内容については、総合カタログ商品編<第15章「設計・施工上のご注意・使用上のご注意」>をご参照ください。
次のガラスをご使用になる場合は、特にご注意ください。詳しくは各商品の「ご注意」欄を参照ください。
強化ガラス
強化ガラス(耐熱強化ガラスを含む)は、一部に破損が起こると応力のバランスがくずれて瞬間に全面破砕します。これにより、ガラスが脱落して開口部が開放状態となることがあります。また、ガラス表面の傷やガラス中の引張り応力層に残存する不純物の体積変化に起因し、外力が加わっていない状態で不意に破損することがあります。強化ガラス(耐熱強化ガラスを含む)の性質を十分ご理解の上、使用部位をご決定ください。また、必要に応じ、合わせガラス加工・飛散防止フィルム貼付などの飛散防止処理を講じてご使用ください。
〈「強化ガラスを安全にお使いいただくために」参照〉
倍強度ガラス
倍強度ガラスは、ガラス表面の傷やガラス中の引張り応力層に残存する不純物の体積変化に起因し、外力が加わっていない状態で不意に破損する可能性があります。
倍強度ガラスの性質を十分に理解の上、使用部位をご決定ください。
網入・線入板ガラス
網入・線入板ガラスをご使用になる場合、例えば、エッジを露出して使用したり、排水機構が機能しないなどの理由によって、雨水などがガラスエッジ部に滞留すると、エッジ部分の線材を錆びさせ、その体積膨張によってガラスエッジ付近に微小なクラック(ひび割れ)を生じさせることがあります。このクラックは、熱割れの原因になります。網入・線入板ガラスのご使用にあたっては、サッシの排水機構など納まりについて十分ご検討ください。また、グレイジングチャンネルなど、排水が難しい納まりでのご使用は、なるべくお避けください。AGCは、網入・線入板ガラス製品エッジ部全周に防錆処理を施しています。お客様がこれらの製品を切断されてご使用になる場合、切断した全てのガラスエッジ部に防錆処理を必ず施してください。
複層ガラス、合わせガラス
複層ガラス、合わせガラスを使用される場合には、雨水などによる下記の品質低下を防止するため、はめ込み枠下辺に水抜き孔を設けたり、弾性シーリング材によるグレイジングを行うなどして止水性・排水性を確保してください。また、ガラス小口を露出するような納まりは避けてください。
複層ガラス→封着材が劣化して中空層内結露の原因となります。夏の暑い時期には、Low-Eガラスの表面温度が上昇し、熱くなることがあります。
合わせガラス→特殊フィルムが劣化して白濁(白っぽく変色する)や膜剥離の原因となります。
ミラー・壁装ガラス・装飾ガラス
ミラー・壁装ガラス・装飾ガラスの一部などは、内装専用となっています。外装使用した場合、日射によって変退色・剥離・熱割れなどの品質低下を生じることがあります。また、内装に使用する場合でも、直射日光が当たる部分にはなるべくご使用にならないでください。
〈「設計・施工上のご注意」欄参照〉
ガラス施工店、販売店の皆様へ
- (1)強化ガラスおよび倍強度ガラスの注意すべき性質について、お客様に十分ご説明をお願いいたします。
- (2)使用予定部位をご確認いただき、必要に応じて飛散防止処理をお客様にお薦めしていただくようお願いいたします。
設計・施工上の注意
【合わせガラス共通】
- ・合わせガラスの標準納まりにしたがって施工してください。
- ・ガラスのエッジ部分を露出した使い方は、特殊フィルムエッジ部からの水分の吸湿を招き、白濁や剥離が発生することがあります。
- ・塩ビビードの使用など、エッジ部の水密性の不十分な施工法は、特殊フィルムの吸湿を生じ、白濁や剥離の原因となりますので、好ましい施工法ではありません。やむを得ずこれを使用する場合はブチルビードの巻き付けなどエッジ部に防水処置を施してください。
- ・ガラス温度が70℃以上になると、特殊フィルムに泡が発生する場合があります。
- ・特殊フィルムは、有機系の溶剤に侵されることがあります。清掃などの目的で有機溶剤を使う場合は、エッジ部に付着しないよう注意してください。
- ・特殊フィルムを使用した大サイズの合わせガラスにおいて、製法上、若干の虹模様が部分的に見える場合があります。
- ・現場での切断・加工は、製品性能を低下させるおそれがあるため、好ましくありません。正確な寸法でご発注ください。
- ・エッジ部の水密性を確保するため、シーリング材は、JIS A 5758に規定する良質の弾性シーリング材(シリコーンシーラント、ポリサルファイドなど)を使用してください。ただし、酢酸系シリコーンシーラント、有機溶剤の入ったシーラント、油性パテなどは使用しないでください。
- ・サッシの下枠には、必ず直径5mm以上の排水に有効な水抜き孔を3ヵ所以上設置してください。
- ・バックアップ材は発泡ポリエチレンフォーム、またはクロロプレンゴムなどをご使用ください。
- ・セッティングブロックは、クロロプレンゴム、またはEPDMの硬度90°以上のものを下辺に2ヶ所ご使用ください。なお、クロロプレンゴムには、特殊フィルムに影響をおよぼすものがありますので、影響を与えない材質を選定するか、ガラスと接する面にボンドブレーカーを貼るなどして特殊フィルムとの直接接触を避けてください。
- ・各種クリアランス・かかり代などの納まり寸法は、「板ガラスの納まり寸法標準」に準じてください。
- ・網入・線入合わせガラスは熱割れが起きやすいため、ご使用にあたってはサッシとの納まりの検討のほか、熱割れ計算によるご確認をお願いします。
- ・合わせガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意もご一読ください。
【カラーラミセーフ】
- ・防犯開口部設計には、ガラス単体だけでなく、サッシ、錠、セキュリティ・システムなどを含めた、総合的な検討を行ってください。
- ・ガラスの選択にあたっては防犯グレード別に、<ラミセーフセキュリティー30><ラミセーフセキュリティー60><ラミセーフセキュリティー90><セキュレⅠ><セキュレⅡ><セキュレⅢ>と、ご指定ください。
- ・サッシ選定には以下の点をご注意ください。
- ・枠材の強度を上げ、サッシが壊れてガラスがはずれないようにしてください。
- ・ガラスのかかり代が十分にとれるサッシを選択してください。
- ・引き違いサッシの障子取り外し防止機構を設置してください。
- ・ガラスは四方枠入りとなる納まりとしてください。
- ・ドアや窓に補助錠をつけてください。
- ・警報装置や警備会社のセキュリティ・システムを併用した対策などを実施してください。
- ・雨戸、シャッター、面格子などは、頑丈なものを選んでください。
- ・使用する素板の種類によって、ご指定の防犯グレードよりも厚い特殊フィルムを使用する場合があります。あらかじめご了承ください。
- ・<ラミセーフ><ラミセーフセキュリティー><セキュレ>は、太陽光線の中で紫外線域はほとんど遮蔽しますが、可視光域は一般の板ガラスと同等の透過率を有しています。衣服や美術工芸品の褪色、あるいは変色防止のために<ラミセーフ><ラミセーフセキュリティー><セキュレ>を用いる場合、染顔料、あるいはその下地の種類によっては、可視光線で褪色、変色する場合もありますのでご注意ください。
- ・熱線反射ガラスや熱線吸収板ガラスの合わせガラスを、それぞれの単板ガラスと隣接して使用した場合は、ガラスと中間膜の接触の影響により色調に顕著な差が生じますのでご注意ください。
- ・大サイズ(1500mm超え)の場合には、特殊フィルムをつなぐ必要があるため、若干の線状のムラが生じることをご了解ください。
●おことわり
- ・ <ラミセーフセキュリティー><セキュレ>は、侵入に要する時間を長引かせるもので、侵入を完全に抑えるものではありません。より防犯性を高めるために、補助錠の設置やセキュリティ・システムの併用をおすすめします。
- ・防犯性能は、一般的なガラスと比較した相対的なものであり、侵入の手口や凶器によって異なります。
- ・サッシの強度によっては、防犯性能が十分に発揮されない場合があります。
- ・通常の一枚ガラスにくらべ、重くなります。この影響で、サッシの戸車などの消耗が早くなることがあります。
- ・一般のガラスと見た目による差がないため、侵入犯に対する威嚇の効果はありません。(マーク及びシールにより商品の表示を行っていますが、威嚇の効果を期待するものではありません。)
- ・防犯性能は現在多く見られる侵入犯をモデルに確認しておりますが、侵入犯を防止・抑制することを保証するものではありません。
- ・防火設備タイプとして使用する場合の防火ガラス<マイボーカ>は熱処理しているため、通常のフロート板ガラスに比べると反射映像のゆがみや透視ひずみが大きくなります。
使用上の注意
【合わせガラス共通】
- ・合わせガラスに貼り付けられている各種シールは、製品仕様を判りやすく表示したものです。シールそのものにつきましては保証を行っておりません。お引渡し後、ご使用環境によってはシールが剥がれる可能性がありますので、その際は除去してください。( 現在、各種シールの貼り付けは終了しております。)
- ・高圧洗浄機や大量の水を使用したガラス洗浄は、サッシ内に水が浸入する要因となります。サッシ内に浸入した水が滞留すると特殊フィルム劣化の原因となりますので、そのような洗浄は避けてください。
板ガラスの納まり寸法標準
日本建築学会では、建築工事標準仕様書・同解説 ガラス工事(JASS17)のなかで、不定形シーリング材構法、グレイジングガスケット構法について、耐震性などの性能について特記されていない場合における納まりの寸法標準を示しています。
ここでは、JASS17を基本にして、AGCの関連製品をご使用いただく際の各種クリアランス・かかり代の寸法をご提案するものです。
表内の数値を標準として、ガラスの製品精度・サッシの製作精度・施工誤差などを考慮し、なるべく余裕をもってご設計ください。
- (1)不定形シーリング材構法の納まり寸法標準
最も標準的な三方押縁で、中桟のない建具の場合の標準を示しています(四方押縁はこれに準じます)。
一方押縁・二方押縁の場合は、施工時に板ガラスのやり返しが必要となりますので、作業性を考慮して別途寸法を考慮してください。
- (2)グレイジングガスケット構法納まり寸法標準