デューカット®ⅡS

注意事項

設計・施工上の注意

【複層ガラス共通】

  • 複層ガラスは、有機材料によってその機能を得ていますので寿命のある商品です。その機能を長期間保つためには、サッシ枠との納まりが重要な要因となりますので、複層ガラスの納まりや施工などに関するご注意を必ずお守りください。
  • 複層ガラスは、あらかじめ工場で組み立てられますので、製造後の切断はできません。正確な寸法で、かつ横(W辺)と縦(H辺)を指定してご発注ください。
  • サッシはJIS A 4706に適合し、水抜き機構を備え排水が速やかに行われる構造で断熱性と気密性に優れた精度の高いサッシをご使用ください。
  • 温度70℃以上や多湿の環境下では、封着材の耐久性が著しく低下して寿命が短くなりますので、このような環境下でのご使用は避けてください。
  • 複層ガラスは、密封された中空層の内圧変化により、ガラスに若干の反りが生じ、それにともなって、反射像にゆがみが生ずることがあります。
  • 複層ガラスを標高1000m以上の高地でご使用の場合は、中空層の内圧による破損有無の確認が必要です。ご発注前にご相談ください。また、中空層12ミリを超える複層ガラスや<サンバランストリプルガラス>は、特に内圧によるガラスへの影響が大きいため、標高1000m以下でのご使用の場合でも、ご発注前にご相談ください。
  • ご使用になるサッシの断熱性能が低い場合は、たとえ複層ガラスを使用したとしても、窓としての断熱性能が十分に発揮されません。複層ガラスを使用する場合は、サッシも断熱性能及び気密性能が高い製品をご使用ください。
  • 熱線反射ガラスまたは熱線吸収板ガラスと組み合わせた複層ガラスは、熱線反射ガラスまたは熱線吸収板ガラスを室外側にして施工してください。
  • 網入・線入複層ガラスは熱割れが起きやすいため、ご使用にあたってはサッシとの納まりの検討のほか、熱割れ計算によるご確認をお願いします。
  • 小口を露出したり、突き合わせ工法などガラスエッジ部がサッシに呑み込まれない納まりは、封着部の劣化の原因になりますので、避けてください。
  • 3ミリ+中空層(10ミリ以上)+網入板ガラス6.8ミリの構成で短辺寸法が300mm以下の場合は、冬期における内圧低下により3ミリガラスが破損する場合がありますので4ミリに変更してください。
  • 網入複層ガラスをトップライトやプールの窓などにご使用の場合は、小口に複層ガラスの封着材を厚く塗布するか、ブチルテープを貼るなどして、網入ガラス切断部の防錆処理を施してください。なお、個別防火の場合には、サッシメーカーの申請仕様をご確認ください。
  • 複層ガラスには下辺及び室内側を指定するラベルが貼ってありますので、ラベルにしたがって施工してください。
  • 複層ガラスを現場で保管する場合は、必ず直射日光を避け、風通しの良い室内に保管してください。また、保管時は図のような状態にしてください。
  • 封着部は、長時間浸水の状態にあると劣化が早まります。溝内に浸入した水を速やかに排水できるよう、サッシの下枠には直径5mm以上の、排水に有効な水抜き孔を3ヵ所以上設けてください。
  • 封着部を保護するため、シーリング材はJIS A 5758に規定する良質のシリコーンシーラント、またはポリサルファイド系シーラントをご使用ください。ただし、酢酸系シリコーンシーラント、有機溶剤の入ったシーラント、油性パテは使用しないでください。
  • グレイジングチャンネル構法は、止水・排水性に劣るため納まりとしては、好ましくありません。止むを得ずグレイジングチャンネルを使用する場合は、JIS A 5756に適合する良質のもので、必ず水抜きに配慮したタイプのものをご使用ください。
  • グレイジングビード構法は、浸入した水が排出しにくいため好ましくありません。止むを得ずグレイジングビードを使用する場合は、セパレートタイプでかつJIS A 5756に適合する良質なものをご使用ください。なお、下辺にはセッティングブロックの敷き込みが必要です。
  • 構造ガスケットを用いた施工は、浸入した水が排出しにくいため、避けてください。
  • バックアップ材は発泡ポリエチレンフォーム、クロロプレンゴムなどをお使いください。
  • セッティングブロックは、ガラスの重量を支える大切な材料です。クロロプレンゴム、EPDM系のゴムには封着部に影響を及ぼすものがあります。影響を与えない材質の選定やボンドブレーカーを貼るなどして封着部と直接接触しないような処理をお願いします。住宅用の軽量なものには、塩ビもご使用になれます。
  • 各種クリアランス・かかり代などの納まり寸法は、「板ガラスの納まり寸法標準」に準じてください。
  • 複層ガラスのかかり代は、紫外線の照射による封着部劣化を防ぐ目的で設定された値です。また、エッジクリアランスは、サッシ内に浸入した水を容易に排水できるよう設定された値です。いずれも、複層ガラスの耐久性において重要ですので、必ずお守りください。
  • 平積み保管はしないでください。
  • 内圧破損の危険性が高くなるため、複層ガラスに使用するガラスの厚み差は4ミリ以内としてください。
  • 複層ガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意も、ご一読ください。

使用上の注意

【複層ガラス共通】

  • 複層ガラスの性能・機能を長期間保つために、以下の使用上のご注意を必ずお守りください。
  • 複層ガラスの表面にペンキを塗ったり、紙やシールなどを貼りつけることは、熱割れの原因になりますのでお止めください。また、万一破損した場合の破片の飛散防止を目的として飛散防止フィルムを貼る場合は、フィルムメーカーの熱割れ計算に基づいて使用可否の判断をしてください。
  • 複層ガラスを透視すると縞状の模様が見えることがありますが、これは光の干渉によって見えるもので異常ではありません。
  • 複層ガラス製品には、原則として右下に、製品仕様や製造年月などを記号化したマークを表示しています。製品に不具合などが生じた場合に、この記号から製造履歴を確認する場合がありますので、削ったり消したりしないでください。また、マークには、微細なガラス片が付着している場合があります。指などでこすると、ガラス片によってケガをする場合がありますので、マーク表示には触れないでください。
  • 外観を美しく保ち、性能を長く維持するために、2.3ヵ月に1回以上の頻度でクリーニングを行ってください。
  • クリーニングは、水洗いをした後、乾いた布で拭いてください。水洗いで取れない汚れは、市販のガラスクリーナーや中性洗剤を浸した布で汚れを落とした後、水洗いをして乾いた布で拭いてください。塩素系のカビ取り剤や漂白剤は、複層ガラスの耐久性に影響を及ぼす可能性があるので、使用しないでください。
  • 外壁などを洗浄する際に、強酸性や強アルカリ性の洗剤や薬品を使用する場合は、ガラスに付着しないよう、養生をしてください。万一付着した場合は、水で洗い流してください。
  • 高圧洗浄機や大量の水を使用したガラス洗浄は、サッシ内に水が浸入する要因となります。サッシ内に浸入した水が滞留すると封着部劣化の原因となりますので、そのような洗浄は避けてください。

●おことわり

  • 温度や気圧の変化による中空層の内圧変化の影響で、ガラスにたわみが生じます。また、製造時の反りや封着によるゆがみ、施工のゆがみも皆無ではありません。それにともなって、反射映像がゆがむ場合がありますのでご了承ください。
  • 室内湿度が高い場合には、室内側ガラス表面に結露を生じることがあります。換気などをして、室内湿度が下がると結露は減少します。
  • ガラスの品種・寸法・アタッチメントの色などは予告なく改廃する場合があります。
  • サッシの乱暴な開閉は、製品に損傷を与え、機能を低下させる場合もありますのでご注意ください。
  • 複層ガラスはその構造上、反射像が二重に見えます。
  • 温度や気圧の変化に伴う内圧変化の影響により、封着材が中空層にはみ出してくる場合があります。特に縦横の寸法差が大きな細長い製品では、顕著に見られる場合がありますが、品質には影響はありません。
  • 中空層にガスを封入した複層ガラスは、経年変化に伴い、中空層のガスが抜けてガラスが凹状に変形する場合があります。特に二次封着材としてシリコーン系シーリング材を使用する場合は特別な管理が必要ですので、予めご相談ください。
  • 中空層内の乾燥状態を維持するため、スペーサー内に吸湿剤を入れています。まれに中空層内に見られる白っぽい粒状の物質は、この吸湿剤ですのでご安心ください。
  • アルミスペーサーには継ぎ目が生じます。継ぎ目の位置をガラスごとに合わせることはできませんのでご了承ください。
  • 複層ガラスに貼り付けられている各種シールは、製品仕様を判りやすく表示したものです。シールそのものにつきましては保証を行っておりません。お引渡し後、ご使用環境によってはシールが剥がれる可能性がありますので、その際は除去してください。(現在、各種シールの貼り付けは終了しております。)
  • <ホームペヤEG>のグレチャンのコーナー接合部分には、わずかなすき間が生じる場合がありますが、複層ガラス本体の基本性能に影響を与えるものではありません。
  • 複層ガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意もご一読ください。

輸出の際のご注意

■製品含有化学物質に関する規制について

以下の製品の構成材料には、後述するEUのREACH規則などで規制される化学物質を、基準値を超えて含有している場合があります。

そのため、EUへの輸出やEU向け製品の部品として使用する際は、各種の義務や制限が課せられる可能性があります。

  • セラプリライト(ホワイト、グレー、ホワイトミスト、グレーミスト、ブラック、イエロー、グリーン、ブルー、イエローミスト、グリーンミスト、ブルーミスト)のセラミックプリント
  • ホームペヤEGのグレチャン(硬質PVC)
  • ペヤプラスのアタッチメント(PVC)
  • 複層ガラス製品に使用される封着材のうち、ポリサルファイド系のもの
  • やわらぎの塩ビ樹脂フィルム

■ EU REACH規則

化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則です。成形品中の含有化学物質についても、使用制限や情報伝達の義務があります。

表1のフタル酸エステル類は、従来から、玩具、育児用品中への含有が禁止されてきましたが、2020年7月7日から原則として全成形品に対象が拡大されます。

■ EU RoHS(II)指令(2011/65/EU)

電気・電子機器に関する特定有害物質の使用制限に関する指令です。表1のフタル酸エステル類は、2019年7月22日から適用(医療機器、監視・制御機器は2021年7月22日から適用)となります。

表1 REACH規則/RoHS指令により規制対象となる製品中のフタル酸エステル類

表2 製品(成形品)に対するその他の主な規制

板ガラスの納まり寸法標準

日本建築学会では、建築工事標準仕様書・同解説 ガラス工事(JASS17)のなかで、不定形シーリング材構法、グレイジングガスケット構法について、耐震性などの性能について特記されていない場合における納まりの寸法標準を示しています。
ここでは、JASS17を基本にして、AGCの関連製品をご使用いただく際の各種クリアランス・かかり代の寸法をご提案するものです。
表内の数値を標準として、ガラスの製品精度・サッシの製作精度・施工誤差などを考慮し、なるべく余裕をもってご設計ください。

  1. (1)不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

    最も標準的な三方押縁で、中桟のない建具の場合の標準を示しています(四方押縁はこれに準じます)。

    一方押縁・二方押縁の場合は、施工時に板ガラスのやり返しが必要となりますので、作業性を考慮して別途寸法を考慮してください。

表1:不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

表2:不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

  1. (2)グレイジングガスケット構法納まり寸法標準

表3:グレイジングガスケット構法納まり寸法標準

表4:グレイジングガスケット構法納まり寸法標準