ラミセーフセキュリティー®
注意事項
設計・施工上の注意
【合わせガラス共通】
- ・合わせガラスの標準納まりにしたがって施工してください。
- ・ガラスのエッジ部分を露出した使い方は、特殊フィルムエッジ部からの水分の吸湿を招き、白濁や剥離が発生することがあります。
- ・塩ビビードの使用など、エッジ部の水密性の不十分な施工法は、特殊フィルムの吸湿を生じ、白濁や剥離の原因となりますので、好ましい施工法ではありません。やむを得ずこれを使用する場合はブチルビードの巻き付けなどエッジ部に防水処置を施してください。
- ・ガラス温度が70℃以上になると、特殊フィルムに泡が発生する場合があります。
- ・特殊フィルムは、有機系の溶剤に侵されることがあります。清掃などの目的で有機溶剤を使う場合は、エッジ部に付着しないよう注意してください。
- ・特殊フィルムを使用した大サイズの合わせガラスにおいて、製法上、若干の虹模様が部分的に見える場合があります。
- ・現場での切断・加工は、製品性能を低下させるおそれがあるため、好ましくありません。正確な寸法でご発注ください。
- ・エッジ部の水密性を確保するため、シーリング材は、JIS A 5758に規定する良質の弾性シーリング材(シリコーンシーラント、ポリサルファイドなど)を使用してください。ただし、酢酸系シリコーンシーラント、有機溶剤の入ったシーラント、油性パテなどは使用しないでください。
- ・サッシの下枠には、必ず直径5mm以上の排水に有効な水抜き孔を3ヵ所以上設置してください。
- ・バックアップ材は発泡ポリエチレンフォーム、またはクロロプレンゴムなどをご使用ください。
- ・セッティングブロックは、クロロプレンゴム、またはEPDMの硬度90°以上のものを下辺に2ヶ所ご使用ください。なお、クロロプレンゴムには、特殊フィルムに影響をおよぼすものがありますので、影響を与えない材質を選定するか、ガラスと接する面にボンドブレーカーを貼るなどして特殊フィルムとの直接接触を避けてください。
- ・各種クリアランス・かかり代などの納まり寸法は、「板ガラスの納まり寸法標準」に準じてください。
- ・網入・線入合わせガラスは熱割れが起きやすいため、ご使用にあたってはサッシとの納まりの検討のほか、熱割れ計算によるご確認をお願いします。
- ・合わせガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意もご一読ください。
【ラミセーフ/ラミセーフセキュリティ】
- ・ 防犯開口部設計には、ガラス単体だけでなく、サッシ、錠、セキュリティ・システムなどを含めた、総合的な検討を行ってください。
- ・ ガラスの選択にあたっては防犯グレード別に、<ラミセーフセキュリティー30><ラミセーフセキュリティー60><ラミセーフセキュリティー90><セキュレⅠ><セキュレⅡ><セキュレⅢ>と、ご指定ください。
- ・サッシ選定には以下の点をご注意ください。
- ・枠材の強度を上げ、サッシが壊れてガラスがはずれないようにしてください。
- ・ガラスのかかり代が十分にとれるサッシを選択してください。
- ・引き違いサッシの障子取り外し防止機構を設置してください。
- ・ガラスは四方枠入りとなる納まりとしてください。
- ・ドアや窓に補助錠をつけてください。
- ・ 警報装置や警備会社のセキュリティ・システムを併用した対策などを実施してください。
- ・雨戸、シャッター、面格子などは、頑丈なものを選んでください。
- ・ 使用する素板の種類によって、ご指定の防犯グレードよりも厚い特殊フィルムを使用する場合があります。あらかじめご了承ください。
- ・ <ラミセーフ><ラミセーフセキュリティー><セキュレ>は、太陽光線の中で紫外線域はほとんど遮蔽しますが、可視光域は一般の板ガラスと同等の透過率を有しています。衣服や美術工芸品の褪色、あるいは変色防止のために<ラミセーフ><ラミセーフセキュリティー><セキュレ>を用いる場合、染顔料、あるいはその下地の種類によっては、可視光線で褪色、変色する場合もありますのでご注意ください。
- ・ 熱線反射ガラスや熱線吸収板ガラスの合わせガラスを、それぞれの単板ガラスと隣接して使用した場合は、ガラスと中間膜の接触の影響により色調に顕著な差が生じますのでご注意ください。
●おことわり
- ・ <ラミセーフセキュリティー><セキュレ>は、侵入に要する時間を長引かせるもので、侵入を完全に抑えるものではありません。より防犯性を高めるために、補助錠の設置やセキュリティ・システムの併用をおすすめします。
- ・ 防犯性能は、一般的なガラスと比較した相対的なものであり、侵入の手口や凶器によって異なります。
- ・サッシの強度によっては、防犯性能が十分に発揮されない場合があります。
- ・ 通常の一枚ガラスにくらべ、重くなります。この影響で、サッシの戸車などの消耗が早くなることがあります。
- ・ 一般のガラスと見た目による差がないため、侵入犯に対する威嚇の効果はありません。(マーク及びシールにより商品の表示を行っていますが、威嚇の効果を期待するものではありません。)
- ・ 防犯性能は現在多く見られる侵入犯をモデルに確認しておりますが、侵入犯を防止・抑制することを保証するものではありません。
- ・ 防火設備タイプとして使用する場合の防火ガラス<マイボーカ>は熱処理しているため、通常のフロート板ガラスに比べると反射映像のゆがみや透視ひずみが大きくなります。
使用上の注意
【合わせガラス共通】
- ・合わせガラスに貼り付けられている各種シールは、製品仕様を判りやすく表示したものです。シールそのものにつきましては保証を行っておりません。お引渡し後、ご使用環境によってはシールが剥がれる可能性がありますので、その際は除去してください。( 現在、各種シールの貼り付けは終了しております。)
- ・高圧洗浄機や大量の水を使用したガラス洗浄は、サッシ内に水が浸入する要因となります。サッシ内に浸入した水が滞留すると特殊フィルム劣化の原因となりますので、そのような洗浄は避けてください。
板ガラスの納まり寸法標準
日本建築学会では、建築工事標準仕様書・同解説 ガラス工事(JASS17)のなかで、不定形シーリング材構法、グレイジングガスケット構法について、耐震性などの性能について特記されていない場合における納まりの寸法標準を示しています。
ここでは、JASS17を基本にして、AGCの関連製品をご使用いただく際の各種クリアランス・かかり代の寸法をご提案するものです。
表内の数値を標準として、ガラスの製品精度・サッシの製作精度・施工誤差などを考慮し、なるべく余裕をもってご設計ください。
- (1)不定形シーリング材構法の納まり寸法標準
最も標準的な三方押縁で、中桟のない建具の場合の標準を示しています(四方押縁はこれに準じます)。
一方押縁・二方押縁の場合は、施工時に板ガラスのやり返しが必要となりますので、作業性を考慮して別途寸法を考慮してください。
- (2)グレイジングガスケット構法納まり寸法標準