ペヤプラス®

注意事項・品質保証等

ガラスを安全に末永くお使いいただくために

ガラスを安全に末永くお使いいただくために、板ガラス製品全般に関係する注意事項をまとめました。

カタログをご利用になる際、是非ご確認ください。

また、各商品グループ・商品に特有の注意事項に関しては、各製品の「設計・施工上のご注意」でも詳細にご説明しています。

併せてご確認をお願いいたします。

ガラスが破損しますと、ガラスの破片で人が重傷を負ったり、時には死亡したりする場合があります。 ガラス周辺の設計に際しては、破損事故の危険性を最小限にするため、「ガラスを安全に末永くお使いいただくために」をご確認ください。

警告マーク

警告マークを付した項目は、ガラス破損などによる事故防止のために、特に重要な事項が説明されています。必ずご一読いただきますようお願いいたします。

注意マーク

注意マークを付した項目は、商品の劣化などを防止するための品質保持に関する事項が説明されています。

ガラスの品種・呼び厚さ・納まりのご設計にあたっては、下記事項をご考慮ください。

  • 商品仕様を十分ご確認の上、商品を選択してください。
  • 省エネ・安全・防火・意匠など、求められる機能からガラスの「品種」をお選びください。
  • ガラスの使用部位・寸法などの条件から、必要な技術検討を実施いただき「呼び厚さ」をお選びください。
  • 呼び厚さ・最大寸法などの品揃えは、ガラスの品種ごとに異なりますので、商品の「ラインナップ」「バリエーション」欄および「製品の種類と寸法一覧表」の最大・最小、規格寸法を今一度ご確認ください。
  • ガラスを安全に末永くお使いいただくため、「納まり」などガラス周辺のご検討も合わせてお願いいたします。
  • 商品の仕様によって、その商品独自のご注意のみならず、商品を構成するガラス素板それぞれのご注意にも併せて配慮いただく必要があります。

設計上のご注意

ガラスの強度検討
警告マーク

外力によるガラスの破損を防止するために、必要に応じて次の(1).(5)の強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。

  1. (1)風圧に対する強度検討

    例えば、窓や外部ドアなど、風圧を受ける部位にガラスを使用される場合は、強風によるガラスの破損を防止するため、耐風圧強度をご検討の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。〈技術資料編4- 1参照〉

  2. (2)衝撃に対する強度検討

    例えば、住宅のテラス窓・学校の窓・公共施設の玄関ホールなど、人体または飛来物による衝撃が予想される部位にガラスを使用される場合は、ガラス破損による事故を防止するために、「所定の衝突力に対して割れないガラス」または「割れても安全なガラス(合わせガラス、強化ガラス)」をご選定ください。〈技術資料編4- 3・4- 4・4- 5参照〉

  3. (3)傾斜面でガラスを使用する際の強度検討

    例えば、トップライトや傾斜面の窓など、垂直以外の角度でガラスを使用される場合は、風圧・積雪荷重・ガラス自重の組み合わせによるガラスの破損を防止するため、特別な強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。また、万一破損した場合のガラス破片落下による事故を防止するため、合わせガラスの使用・飛散防止フィルム貼付・網入板ガラスの使用など、落下防止措置を必ず講じてください。〈技術資料編4- 2参照〉

  4. (4)特殊な荷重を受ける場合の強度検討

    例えば、棚板や床など、特殊な集中荷重を受ける部位にガラスを使用される場合は、特殊支持条件のもとでの強度検討を実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。また、床材としてガラスを使用される場合は、ガラス破損時の人体落下事故を防止するため、必ず強化合わせガラスをご選定いただき、万一、ガラスが1枚破損した場合でも、非破壊のガラスで設計荷重に耐えられるようにご設計ください。〈技術資料編4- 2参照〉

  5. (5)水圧に対する強度検討

    例えば、水槽やプールののぞき窓のように、長期にわたって水圧を受ける部位にガラスを使用される場合には、万一のガラス破損時でも二次的損害を防止できるように特別な考え方に基づく強度検討を必ず実施の上、ガラスの品種・呼び厚さをご選定ください。〈技術資料編4- 8参照〉

熱割れを防止するための検討
注意マーク

例えば、熱線吸収板ガラス・熱線反射ガラスなどの日射吸収率の高いガラス、網入板ガラス・呼び厚さの厚いガラスなどのエッジ強度の比較的小さいガラスを使用される場合、網入板ガラスを用いた複層ガラスなどを使用される場合は、日射によるガラスの熱応力破壊(熱割れ)を防止するため、熱割れ強度をご検討の上、ガラスの品種・呼び厚さ・窓枠の種類・窓枠への納まり・カーテンやブラインドの種類などをご選定ください。
また飛散防止や遮熱・遮光などの機能を持ったフィルムなどを貼る場合は、必ずフィルムメーカーにて熱割れ計算を行ってください。

    • 熱線反射ガラスと網入板ガラスを用いた合わせガラス・複層ガラス
    • Low-Eガラスと網入板ガラスからなるサンバランス
    • フロート板ガラスと網入板ガラスからなる複層ガラス〈技術資料編4-6参照〉

地震時のガラス破損を防止するための納まり検討
警告マーク

地震時の建物の変形(層間変位)によって窓枠が変形する場合、はめ込み枠とガラスとのエッジクリアランスによって変形を吸収して、ガラスの破損を防ぎます。窓枠の変形量に対して十分なエッジクリアランスを確保してください。〈技術資料編4- 7参照〉

日本建築学会ではエッジクリアランスなどの標準的な寸法について、「建築工事標準仕様書17番ガラス工事(JASS17)」に基準を定めています。〈総合カタログ商品編第15章「板ガラスの納まり寸法標準」参照〉

また、硬化性パテを用いたグレイジングでは、はめ込み枠とガラスとの変形を拘束して破損の原因となります。弾性シーリング材、またはグレイジングガスケットによるグレイジングをご採用ください。

雨水などによるガラスの品質低下を防止するための納まり検討
注意マーク

網入・線入板ガラス、複層ガラス、合わせガラスを使用される場合には、雨水などによる下記の品質低下を防止するため、止水性・排水性が確保できる納まりとしてください。特に、ガラス小口を露出するような納まりや、水抜き孔のないサッシ、ビード、ガスケットの使用は避けてください。〈「板ガラスの納まり」および各商品の「設計・施工上のご注意」参照〉

  1. (1)網入・線入板ガラス→線材が錆びてエッジ強度を低下させ、錆割れや熱割れの原因となります。
  2. (2)複層ガラス→封着材が劣化して中空層内結露の原因となります。
  3. (3)合わせガラス→特殊フィルムが劣化して白濁(白っぽく変色する)や膜剥離の原因となります。

ガラスの加工に関するご注意
警告マーク

  1. (1)切り欠き加工、孔明け加工

    切り欠き・孔明け加工をすると、切り欠きの入り隅部・孔部の強度が著しく低下する場合があります。外力のかかる部位にはご使用にならないでください。やむを得ずご使用になる場合は、強化ガラス・強化合わせガラスなどをご使用ください。

  2. (2)フロスト加工
    警告マーク

    フロート板ガラスの表面をフロスト加工すると曲げ強度は型板ガラスと同程度の水準に低下します。耐風圧設計にあたっては、型板ガラスの強度係数を用いてください。

  3. (3)強化加工、倍強度加工、合わせ加工、複層加工

    ガラスの品種によって、加工できないものがあります。
    〈テンパライト〉(強化)〈HSライト〉(倍強度)〈ラミセーフ〉(合わせ)〈ペアガラス〉(複層)の各商品ページをご覧ください。

その他のご注意
注意マーク

  1. (1)水掛かり部分にガラスをご使用になる場合

    噴水、浴室、冷却塔周辺など、ガラス表面で水分の濡れと乾燥が繰り返されるような部位に使用しますと、ガラスからの溶出成分と空気中の炭酸ガスが反応固着するなどして、ガラス表面を白濁させてしまいます。固着物を取り除くためには、表面を機械的に研磨するしか方法はなく、状態によっては取れなくなる場合もあります。

  2. (2)ガラスを傾斜面でご使用になる場合

    トップライトなどでガラスを傾斜面で使用する場合、夏場日中など太陽高度の高い時間帯の日射が、水平に近い角度で反射した場合、周囲の人の目に入り眩しさを感じさせる可能性があります。太陽の反射光が周囲の建物などに影響を与える場合、設計段階からメーカー、施工業者とも相談の上、周辺の迷惑にならないよう、ご検討いただくようお願いいたします。なお、AGCアメニテック(株)では、反射光軌跡シミュレーションを有料でお受けしております。〈技術資料編9- 1参照〉

  3. (3)その他の特殊なご使用方法については、その都度安全性をご確認ください。

施工上のご注意
警告マーク

納まりの確認
注意マーク

施工されるガラス品種・呼び厚さに適した納まりになっているかどうか、下記事項に関してご確認をお願いします。〈「板ガラスの納まり」、各商品の「設計・施工上のご注意」、「板ガラスの納まり寸法標準」参照〉

  1. (1)ガラス品種に応じた構法となっているかどうか。
  2. (2)所定のかかりしろ、クリアランスが確保できているかどうか。
  3. (3)セッティングブロック、バックアップ材、シーリング材、グレイジングガスケットなどが適切に選定されているか。

採寸・ご発注

次のガラスは現場切断が不可能または困難なため、正確な寸法で原寸発注をお願いします。

強化ガラス、倍強度ガラス、複層ガラス、合わせガラス、呼び厚さの厚いガラス(8ミリ以上)

切断、面取りなどをされる場合

  1. (1)ガラスは、できるだけきれいに切断(クリーンカット)してください。
  2. (2)糸面取りや切り口修正などでサンダーを使用する場合は、#120以上のできるだけ細かい番手のものをご使用ください。また、グラサード用ガラス、熱線反射ガラス、二辺支持のガラスなど、エッジ強度を確保するために特別な面取り加工を施してある製品の小口を損傷してしまった場合の修正は、当該面取り加工と同等の加工が必要となります。

はめ込み溝の確認
警告マーク

はめ込み溝内部に、地震時にガラスエッジに接触するビスなどの突起物がないかどうか、また、水抜き孔が塞がっていないかどうかをご確認ください。

養生
注意マーク

  1. (1)ガラスに「ガラス注意」などの貼り紙を貼る場合には、マスキングテープなどをご使用ください。でんぷん質系の糊は、ガラス表面剥離の原因になりますのでご使用にならないでください。
  2. (2)ガラスのはめ込み後、吹き付け材などの汚れが付くおそれのある場合には、塩ビシートなどをガラス面に張り付けて養生してください。
  3. (3)ガラスのはめ込み後、溶接火花がかかるおそれのある場合は、薄鋼板または合板などで必ず養生をしてください。溶接火花による傷は補修できません。

使用・メンテナンス上のご注意

ひび(クラック)の生じたガラスは放置しないでください。
警告マーク

ガラスに生じたクラックは、それが小さいものであっても強度を著しく低下させます。

クラックの生じたガラスは、手で軽く押したり、比較的弱い風が吹いただけで破損することがありますので、放置せずにできるだけ早い時期にガラスをお取り替えになることをお薦めいたします。また、ガラステーブル天板・強化ガラスドアの周辺部などの特殊な面取り加工を施したものを除いて、一般にガラスのエッジ部分は非常に鋭利で危険です。ガラスのお取り替えにあたっては、専門の工事業者様へご用命ください。

トップライトなどのガラスの上には、絶対に乗らないでください。
警告マーク

トップライトなどに使用されているガラスは、通常、人体による集中荷重に対する強度検討は実施されていません。例えば、トップライトガラスを清掃する際など、ガラスには絶対に乗らないでください。

網入板ガラスや合わせガラスを使用している場合でも絶対に乗らないでください。

ガラスの熱割れにご注意ください。
注意マーク

次のような行為は、ガラスの温度上昇や温度の不均一な部分が生じるため、「熱割れ」の原因となります。

  • 飛散防止や遮熱・遮光などの機能をもったフィルムを貼ること
  • ガラス面に密接して物を置いたり、立て掛けたり、衣類、クッション類を干したりすること
  • 段ボール箱などを室内ガラス面に近づけて置くこと(一時的な仮置きも含む)
  • ロッカーやパーティション、家具などをガラス面に近づけて設置すること
  • カーテンやブラインドなどをガラスの全面もしくは一部に密接させること(束ねたときも)
  • 冷暖房の吹き出し空気や熱を直接ガラス面に当てたり、強い照明を当てること
  • 窓ガラスに紙などを貼ったり、ペンキなどをぬること
  • 窓ガラスに特殊な影を落とすこと(設計段階で考慮されたものを除く)
イラスト:熱割れの原因となる行為のイメージ

熱線反射ガラスの傷
注意マーク

熱線反射ガラスなどのコート面を、硬いものでこすると傷がつきます。一度ついた傷は補修ができませんのでご注意ください。

ガラス防煙壁の落下にご注意ください
警告マーク

ガラス防煙壁は、法令が定める定期的な点検において、き裂、破損、変形等がないことを確認することが求められています。地震等による大きな外力を受けた場合には、吊り棒が破断する可能性もありますので、定期的な点検の際には、ガラスの割れ・ヒビ等の外観異常だけではなく、ガラス列の傾きや化粧材の変形、シーリング材及びガスケット等の経年劣化についても、目視による点検を実施してください。

点検により異常が発見された場合には、速やかに補修、交換をお願いします。

点検内容については、総合カタログ商品編<第15章「設計・施工上のご注意・使用上のご注意」>をご参照ください。

次のガラスをご使用になる場合は、特にご注意ください。詳しくは各商品の「ご注意」欄を参照ください。

強化ガラス
警告マーク

強化ガラス(耐熱強化ガラスを含む)は、一部に破損が起こると応力のバランスがくずれて瞬間に全面破砕します。これにより、ガラスが脱落して開口部が開放状態となることがあります。また、ガラス表面の傷やガラス中の引張り応力層に残存する不純物の体積変化に起因し、外力が加わっていない状態で不意に破損することがあります。強化ガラス(耐熱強化ガラスを含む)の性質を十分ご理解の上、使用部位をご決定ください。また、必要に応じ、合わせガラス加工・飛散防止フィルム貼付などの飛散防止処理を講じてご使用ください。
〈「強化ガラスを安全にお使いいただくために」参照〉

倍強度ガラス
注意マーク

倍強度ガラスは、ガラス表面の傷やガラス中の引張り応力層に残存する不純物の体積変化に起因し、外力が加わっていない状態で不意に破損する可能性があります。
倍強度ガラスの性質を十分に理解の上、使用部位をご決定ください。

網入・線入板ガラス
注意マーク

網入・線入板ガラスをご使用になる場合、例えば、エッジを露出して使用したり、排水機構が機能しないなどの理由によって、雨水などがガラスエッジ部に滞留すると、エッジ部分の線材を錆びさせ、その体積膨張によってガラスエッジ付近に微小なクラック(ひび割れ)を生じさせることがあります。このクラックは、熱割れの原因になります。網入・線入板ガラスのご使用にあたっては、サッシの排水機構など納まりについて十分ご検討ください。また、グレイジングチャンネルなど、排水が難しい納まりでのご使用は、なるべくお避けください。AGCは、網入・線入板ガラス製品エッジ部全周に防錆処理を施しています。お客様がこれらの製品を切断されてご使用になる場合、切断した全てのガラスエッジ部に防錆処理を必ず施してください。

複層ガラス、合わせガラス
注意マーク

複層ガラス、合わせガラスを使用される場合には、雨水などによる下記の品質低下を防止するため、はめ込み枠下辺に水抜き孔を設けたり、弾性シーリング材によるグレイジングを行うなどして止水性・排水性を確保してください。また、ガラス小口を露出するような納まりは避けてください。

複層ガラス→封着材が劣化して中空層内結露の原因となります。夏の暑い時期には、Low-Eガラスの表面温度が上昇し、熱くなることがあります。

合わせガラス→特殊フィルムが劣化して白濁(白っぽく変色する)や膜剥離の原因となります。

ミラー・壁装ガラス・装飾ガラス
注意マーク

ミラー・壁装ガラス・装飾ガラスの一部などは、内装専用となっています。外装使用した場合、日射によって変退色・剥離・熱割れなどの品質低下を生じることがあります。また、内装に使用する場合でも、直射日光が当たる部分にはなるべくご使用にならないでください。
〈「設計・施工上のご注意」欄参照〉

ガラス施工店、販売店の皆様へ
警告マーク

  1. (1)強化ガラスおよび倍強度ガラスの注意すべき性質について、お客様に十分ご説明をお願いいたします。
  2. (2)使用予定部位をご確認いただき、必要に応じて飛散防止処理をお客様にお薦めしていただくようお願いいたします。

設計・施工上の注意

【複層ガラス共通】

  • 複層ガラスは、有機材料によってその機能を得ていますので寿命のある商品です。その機能を長期間保つためには、サッシ枠との納まりが重要な要因となりますので、複層ガラスの納まりや施工などに関するご注意を必ずお守りください。
  • 複層ガラスは、あらかじめ工場で組み立てられますので、製造後の切断はできません。正確な寸法で、かつ横(W辺)と縦(H辺)を指定してご発注ください。
  • サッシはJIS A 4706に適合し、水抜き機構を備え排水が速やかに行われる構造で断熱性と気密性に優れた精度の高いサッシをご使用ください。
  • 温度70℃以上や多湿の環境下では、封着材の耐久性が著しく低下して寿命が短くなりますので、このような環境下でのご使用は避けてください。
  • 複層ガラスは、密封された中空層の内圧変化により、ガラスに若干の反りが生じ、それにともなって、反射像にゆがみが生ずることがあります。
  • 複層ガラスを標高1000m以上の高地でご使用の場合は、中空層の内圧による破損有無の確認が必要です。ご発注前にご相談ください。また、中空層12ミリを超える複層ガラスや<サンバランストリプルガラス>は、特に内圧によるガラスへの影響が大きいため、標高1000m以下でのご使用の場合でも、ご発注前にご相談ください。
  • ご使用になるサッシの断熱性能が低い場合は、たとえ複層ガラスを使用したとしても、窓としての断熱性能が十分に発揮されません。複層ガラスを使用する場合は、サッシも断熱性能及び気密性能が高い製品をご使用ください。
  • 熱線反射ガラスまたは熱線吸収板ガラスと組み合わせた複層ガラスは、熱線反射ガラスまたは熱線吸収板ガラスを室外側にして施工してください。
  • 網入・線入複層ガラスは熱割れが起きやすいため、ご使用にあたってはサッシとの納まりの検討のほか、熱割れ計算によるご確認をお願いします。
  • 小口を露出したり、突き合わせ工法などガラスエッジ部がサッシに呑み込まれない納まりは、封着部の劣化の原因になりますので、避けてください。
  • 3ミリ+中空層(10ミリ以上)+網入板ガラス6.8ミリの構成で短辺寸法が300mm以下の場合は、冬期における内圧低下により3ミリガラスが破損する場合がありますので4ミリに変更してください。
  • 網入複層ガラスをトップライトやプールの窓などにご使用の場合は、小口に複層ガラスの封着材を厚く塗布するか、ブチルテープを貼るなどして、網入ガラス切断部の防錆処理を施してください。なお、個別防火の場合には、サッシメーカーの申請仕様をご確認ください。
  • 複層ガラスには下辺及び室内側を指定するラベルが貼ってありますので、ラベルにしたがって施工してください。
  • 複層ガラスを現場で保管する場合は、必ず直射日光を避け、風通しの良い室内に保管してください。また、保管時は図のような状態にしてください。
  • 封着部は、長時間浸水の状態にあると劣化が早まります。溝内に浸入した水を速やかに排水できるよう、サッシの下枠には直径5mm以上の、排水に有効な水抜き孔を3ヵ所以上設けてください。
  • 封着部を保護するため、シーリング材はJIS A 5758に規定する良質のシリコーンシーラント、またはポリサルファイド系シーラントをご使用ください。ただし、酢酸系シリコーンシーラント、有機溶剤の入ったシーラント、油性パテは使用しないでください。
  • グレイジングチャンネル構法は、止水・排水性に劣るため納まりとしては、好ましくありません。止むを得ずグレイジングチャンネルを使用する場合は、JIS A 5756に適合する良質のもので、必ず水抜きに配慮したタイプのものをご使用ください。
  • グレイジングビード構法は、浸入した水が排出しにくいため好ましくありません。止むを得ずグレイジングビードを使用する場合は、セパレートタイプでかつJIS A 5756に適合する良質なものをご使用ください。なお、下辺にはセッティングブロックの敷き込みが必要です。
  • 構造ガスケットを用いた施工は、浸入した水が排出しにくいため、避けてください。
  • バックアップ材は発泡ポリエチレンフォーム、クロロプレンゴムなどをお使いください。
  • セッティングブロックは、ガラスの重量を支える大切な材料です。クロロプレンゴム、EPDM系のゴムには封着部に影響を及ぼすものがあります。影響を与えない材質の選定やボンドブレーカーを貼るなどして封着部と直接接触しないような処理をお願いします。住宅用の軽量なものには、塩ビもご使用になれます。
  • 各種クリアランス・かかり代などの納まり寸法は、「板ガラスの納まり寸法標準」に準じてください。
  • 複層ガラスのかかり代は、紫外線の照射による封着部劣化を防ぐ目的で設定された値です。また、エッジクリアランスは、サッシ内に浸入した水を容易に排水できるよう設定された値です。いずれも、複層ガラスの耐久性において重要ですので、必ずお守りください。
  • 平積み保管はしないでください。
  • 内圧破損の危険性が高くなるため、複層ガラスに使用するガラスの厚み差は4ミリ以内としてください。
  • 複層ガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意も、ご一読ください。

【ペヤプラス/ペヤプラスエア】

  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>を持ち運ぶときは、アタッチメントだけを持たずにガラス全体を持ってください。
  • サッシはJIS A 4706に適合し、水抜き機構を備え排水が速やかに行われる構造で断熱性と気密性に優れた精度の高いサッシをご使用ください。
  • 室内側を表示したラベルが貼り付けられていますので、間違えないようご注意ください。
  • 窓のサイズ、ガラス構成によって網戸と干渉する場合がございます。その場合は網戸干渉が少ないスリムタイプ(製品呼び厚さ10、12ミリ)をご検討ください。但し、サッシの種類によっては網戸と干渉することがあります。
  • サッシの種類によっては使用できないものもありますので、ご採用の際は事前にご確認ください。
  • ガラス構成、諸条件による設計風圧力計算は建築基準法(告示第1458号)に準じて計算しご確認ください。
  • アタッチメントの溝開口寸法はタイプ別に限られているため、ガラス厚が厚くなる場合には中空層が小さくなります。中空層が小さくなると断熱性は低くなる傾向にあります。
  • ガラスの重量と厚さが増えるため、窓の開閉が重くなったり、網戸などが開閉しにくくなるケースがあります。開閉時に手や指を挟んでケガをしないようご注意してご使用ください。
  • 突き合わせによるご使用はできません。
  • アタッチメントを分解しないでください。
  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>は、ガラス面は断熱できますが、既存のサッシとアタッチメント部分はアルミのため結露する場合があります。
  • 水密性能は窓としての性能のため、既存のサッシ性能により異なります。<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>単体としてはW-5(500Pa)相当の性能になります。既存サッシの水密性能を事前にご確認ください。
  • サッシの精度が出ていない場合、サッシの水抜き機構が不十分な場合、台風、暴風、豪雨など商品性能を超える事態の場合(風雨の程度は建物の立地条件によっても異なります。)は、屋内へ雨水が浸入することがあります。
  • ガラス重量と厚さが増えるため、窓の開閉や作動に影響を及ぼさないことを確認して、支障の出ない範囲でご採用ください。
  • 施工時にアタッチメント4隅留め加工部に隙間がないことを確認してください。隙間がある場合はシーリング材で必ずふさいでください。(図1参照)
  • FIX用アタッチメントを引き違いサッシに使用しないでください。

【採寸の注意】

  • 既存サッシの寸法を測る場合、サッシ内寸法を正確に測定してください。特に、隠しグレチャン、隠しビートの場合、採寸はご注意ください。
  • テラスタイプなどは、2人で寸法を測り正確に採寸して下さい。測定寸法に誤差があると気密性・水密性能が低下します。

【引き違い窓用サッシの組み込み】

  • アタッチメントに開けられた水抜き孔を下側にして組み込んでください。
  • 既存障子枠に水抜き孔がない場合は、水抜き孔加工などを行い排水経路を確保してください。
  • 障子枠への組み込みは、図2のように室内障子と室外障子が対称になるように組み込んでください。
  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>のガラス下隅には商品マークがあります。そのマークが下側にくるように組み込んでください。
  • 既存施工ガラスがシーリング施工の場合、既存ガラス取り外し後、十分にシーリングを除去してください。シールが残っている場合、<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>の取り付けが困難なことがあります。
  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>を水平に置き、障子枠は1辺ずつ、上下障子枠→縦障子枠の順で組み込みことを基本としてください。やむを得ず、障子枠をL型2辺の状態で<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>を立てて組み込む場合は、アタッチメントコーナー部に隙間が出ないように丁寧に作業し、残りの障子枠は、上下障子枠→縦障子枠の順で、1辺ずつ組み込みください。
  • 障子枠を1辺だけ外し、コの字型3辺障子枠に<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>を落とし込みして組み込まないでください。障子枠を固定しているビスが破損、アタッチメントの4隅留め加工部の隙間発生や障子枠が膨らむなど変形によりクレセントが掛からなくなるなどの不具合発生の可能性があります。
  • ガラス重量が増えるため、事前に、戸車の磨耗状況の確認や、サッシメーカーへ戸車の耐荷重の確認などを実施してください。

【FIX窓用サッシの組み込み】

  • アタッチメントに開けられた水抜き孔を下側にして組み込んでください。
  • 既存サッシ枠に水抜き孔がない場合は、水抜き孔加工などを行い排水経路を確保してください。
  • サッシ枠に付いている先付けビードは、はぎとらず、そのまま使用してください。
  • 後付けビードは、サッシメーカーの6.8ミリガラス用を、そのまま使用してください。
  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>施工後、サッシ枠に呑み込まれていないアタッチメント部が見えるため、4隅の留め加工部に隙間がでないように、丁寧に組み込んでください。
  • サッシ枠に付いているセッティングブロックは、そのまま使用してください。耐荷重が不足する場合は、追加する必要があります。また、劣化している場合は交換してください。
  • 既存施工ガラスがシーリング施工の場合、既存ガラス取り外し後、十分にシーリングを除去してください。シーリングが残っている場合、<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>の取り付けが困難なことがあります。
  • 既存ビードが劣化などで使用できない場合は、サッシメーカーへお問合わせください。
  • 重量が重くなるので、<ペヤプラス><ペヤプラス・エア>が使用できるサッシであることを、確認してください。
    • *引き違い窓用、FIX窓用それぞれ仕様が大きく異なります。引き違い窓用は、框形式の窓(障子)用です。FIX窓用は、押縁形式の窓(障子)用です。
図:FIX窓用サッシの組み込み

使用上の注意

【複層ガラス共通】

  • 複層ガラスの性能・機能を長期間保つために、以下の使用上のご注意を必ずお守りください。
  • 複層ガラスの表面にペンキを塗ったり、紙やシールなどを貼りつけることは、熱割れの原因になりますのでお止めください。また、万一破損した場合の破片の飛散防止を目的として飛散防止フィルムを貼る場合は、フィルムメーカーの熱割れ計算に基づいて使用可否の判断をしてください。
  • 複層ガラスを透視すると縞状の模様が見えることがありますが、これは光の干渉によって見えるもので異常ではありません。
  • 複層ガラス製品には、原則として右下に、製品仕様や製造年月などを記号化したマークを表示しています。製品に不具合などが生じた場合に、この記号から製造履歴を確認する場合がありますので、削ったり消したりしないでください。また、マークには、微細なガラス片が付着している場合があります。指などでこすると、ガラス片によってケガをする場合がありますので、マーク表示には触れないでください。
  • 外観を美しく保ち、性能を長く維持するために、2.3ヵ月に1回以上の頻度でクリーニングを行ってください。
  • クリーニングは、水洗いをした後、乾いた布で拭いてください。水洗いで取れない汚れは、市販のガラスクリーナーや中性洗剤を浸した布で汚れを落とした後、水洗いをして乾いた布で拭いてください。塩素系のカビ取り剤や漂白剤は、複層ガラスの耐久性に影響を及ぼす可能性があるので、使用しないでください。
  • 外壁などを洗浄する際に、強酸性や強アルカリ性の洗剤や薬品を使用する場合は、ガラスに付着しないよう、養生をしてください。万一付着した場合は、水で洗い流してください。
  • 高圧洗浄機や大量の水を使用したガラス洗浄は、サッシ内に水が浸入する要因となります。サッシ内に浸入した水が滞留すると封着部劣化の原因となりますので、そのような洗浄は避けてください。

●おことわり

  • 温度や気圧の変化による中空層の内圧変化の影響で、ガラスにたわみが生じます。また、製造時の反りや封着によるゆがみ、施工のゆがみも皆無ではありません。それにともなって、反射映像がゆがむ場合がありますのでご了承ください。
  • 室内湿度が高い場合には、室内側ガラス表面に結露を生じることがあります。換気などをして、室内湿度が下がると結露は減少します。
  • ガラスの品種・寸法・アタッチメントの色などは予告なく改廃する場合があります。
  • サッシの乱暴な開閉は、製品に損傷を与え、機能を低下させる場合もありますのでご注意ください。
  • 複層ガラスはその構造上、反射像が二重に見えます。
  • 温度や気圧の変化に伴う内圧変化の影響により、封着材が中空層にはみ出してくる場合があります。特に縦横の寸法差が大きな細長い製品では、顕著に見られる場合がありますが、品質には影響はありません。
  • 中空層にガスを封入した複層ガラスは、経年変化に伴い、中空層のガスが抜けてガラスが凹状に変形する場合があります。特に二次封着材としてシリコーン系シーリング材を使用する場合は特別な管理が必要ですので、予めご相談ください。
  • 中空層内の乾燥状態を維持するため、スペーサー内に吸湿剤を入れています。まれに中空層内に見られる白っぽい粒状の物質は、この吸湿剤ですのでご安心ください。
  • アルミスペーサーには継ぎ目が生じます。継ぎ目の位置をガラスごとに合わせることはできませんのでご了承ください。
  • 複層ガラスに貼り付けられている各種シールは、製品仕様を判りやすく表示したものです。シールそのものにつきましては保証を行っておりません。お引渡し後、ご使用環境によってはシールが剥がれる可能性がありますので、その際は除去してください。(現在、各種シールの貼り付けは終了しております。)
  • <ホームペヤEG>のグレチャンのコーナー接合部分には、わずかなすき間が生じる場合がありますが、複層ガラス本体の基本性能に影響を与えるものではありません。
  • 複層ガラスを構成するガラス品種それぞれのご注意もご一読ください。

【ペヤプラス/ペヤプラスエア】

  • ガラスの重量と厚さが増えるため、窓の開閉が重くなったり、網戸などが開閉しにくくなるケースがあります。開閉時に手や指を挟んでケガをしないようご注意してご使用ください。
  • アタッチメント部の表面に付着した汚れは、しみや腐食の原因となります。特に海岸地域では塩分で、交通量の多い道路沿い、ガス給湯器排気口近辺などは排気ガスの影響で表面異常が発生しやすいので、こまめなお手入れをお願いします。周辺の通気にも十分ご配慮ください。
  • <ペヤプラス><ペヤプラス・エア>は、ガラス面は断熱できますが、既存のサッシとアタッチメント部分はアルミのため結露する場合があります。

●おことわり

  • Low-E膜(金属膜)は、それぞれの反射色をもっていますが、見る角度、光線の当たる角度などによって、若干の干渉色が色ムラのように見える場合があります。また、コーティングの際に若干のピンホールを生じることがありますので、ご了承ください。
  • 携帯電話などの電波機器のご使用時に障害がでる場合があります。
  • 格子入り、異形は製作できません。
  • アタッチメントとサッシの色は合わない場合があります。
  • アタッチメント接合部は微細な段差があります。直接指先などで触ると思わぬケガの原因となりますのでメンテナンスなどの際は十分ご注意ください。
  • Low-E膜(金属膜)付ガラスの単板での使用はできません。
  • 室内湿度が高い場合など、使用環境によってはガラスの表面に結露を生じることがあります。また、部屋全体の結露を防ぐには、計画換気を行ってください。

輸出の際のご注意

■製品含有化学物質に関する規制について

以下の製品の構成材料には、後述するEUのREACH規則などで規制される化学物質を、基準値を超えて含有している場合があります。

そのため、EUへの輸出やEU向け製品の部品として使用する際は、各種の義務や制限が課せられる可能性があります。

  • <セラプリライト>(ホワイト、グレー、ホワイトミスト、グレーミスト、ブラック、イエロー、グリーン、ブルー、イエローミスト、グリーンミスト、ブルーミスト)のセラミックプリント
  • <ホームペヤEG>のグレチャン(硬質PVC)
  • <ペヤプラスの>アタッチメント(PVC)
  • 複層ガラス製品に使用される封着材のうち、ポリサルファイド系のもの
  • <やわらぎ>の塩ビ樹脂フィルム

■ EU REACH規則

化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則です。成形品中の含有化学物質についても、使用制限や情報伝達の義務があります。

表1のフタル酸エステル類は、従来から、玩具、育児用品中への含有が禁止されてきましたが、2020年7月7日から原則として全成形品に対象が拡大されます。

■ EU RoHS(II)指令(2011/65/EU)

電気・電子機器に関する特定有害物質の使用制限に関する指令です。表1のフタル酸エステル類は、2019年7月22日から適用(医療機器、監視・制御機器は2021年7月22日から適用)となります。

表1 REACH規則/RoHS指令により規制対象となる製品中のフタル酸エステル類

表2 製品(成形品)に対するその他の主な規制

板ガラスの納まり寸法標準

日本建築学会では、建築工事標準仕様書・同解説 ガラス工事(JASS17)のなかで、不定形シーリング材構法、グレイジングガスケット構法について、耐震性などの性能について特記されていない場合における納まりの寸法標準を示しています。
ここでは、JASS17を基本にして、AGCの関連製品をご使用いただく際の各種クリアランス・かかり代の寸法をご提案するものです。
表内の数値を標準として、ガラスの製品精度・サッシの製作精度・施工誤差などを考慮し、なるべく余裕をもってご設計ください。

  1. (1)不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

    最も標準的な三方押縁で、中桟のない建具の場合の標準を示しています(四方押縁はこれに準じます)。

    一方押縁・二方押縁の場合は、施工時に板ガラスのやり返しが必要となりますので、作業性を考慮して別途寸法を考慮してください。

表1:不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

表2:不定形シーリング材構法の納まり寸法標準

  1. (2)グレイジングガスケット構法納まり寸法標準

表3:グレイジングガスケット構法納まり寸法標準

表4:グレイジングガスケット構法納まり寸法標準