大掛かりな工事不要で、温室効果ガス排出量削減義務「27%」を達成できる秘策とは?

不動産デベロッパーZ社 資産管理部門

オフィスビル改修に必要な、長期的な省エネ対策が必要だが…

大掛かりな工事不要で、温室効果ガス排出量削減義務「27%」を達成できる秘策とは?

不動産デベロッパーZ社 資産管理部門

背景

東京都では2010年度より、大規模事業所に対してCO2排出総量削減を義務付ける「キャップ&トレード制度」を導入。2020年~2024年までの第3期において、オフィスビル等の温室効果ガス排出量削減義務率が「27%」に設定された。そんな中、Z社は得意先企業の本社ビル改修を任されることになった。この先も削減目標が高まる動きがあるため、同社では省エネやCO2削減など、ゼロエミッション化に向けた具体的な対応策を協議していた。

課題

「これ以上削減できない…」設備改修だけでは省エネ率が削減しきれなかった

東京都の「2050年CO2排出実質ゼロ」に、どのように貢献するか。不動産デベロッパーZ社では、その先も見据えた長期的な対策について社内での議論を行っていました。
資産管理部門のA氏は、このときの状況を次のように語ります。
「今後、改修を手がけるオフィスビルにて、設備改修を検討した。そして、省エネ率などを何度も計算し直しました。しかし現時点で自分たちが有している知見だけでは、これ以上の削減を実現することができそうになかったのです」

A氏はまず、近年の住宅で二重サッシや複層ガラスの普及が進んでいることに着目しました。更なる省エネを図るためには、ビルの断熱性能向上が非常に有効ではないかと考えました。しかし、オフィスビルの場合、全窓を複層ガラスに変えるような大規模改修工事を実施するのが、現実問題として難しいことが判明します。
一方、遮熱フィルムを貼ることも検討しましたが、冬場は機能しないため、効果は限定的です。また数年で劣化してしまう上にメンテナンス性も悪く、思ったような省エネ効果は望めないという結論に達したのです。

知見のある方法では具体性な効果に疑問があることから、A氏らはやむを得ず、引き続き他の手段を検討することにしました。

課題のポイント

・建物の全窓を複層ガラスなどの省エネ性の高いガラスに変えるような、大規模な改修工事の実現は難しい
・遮熱フィルムを用いても季節により効果は限定的であり、劣化が早くメンテナンス性も悪いため、高い省エネ効果は望めない

解決

解決のポイント

・「アトッチ」は既存の窓に室内側からLow-Eガラスを貼り付けることで、断熱性・遮熱性を高めることが可能
・省エネシミュレーション試算によると、年間を通じて窓近傍の空調負荷を約32.4%削減できる
・室内側からの施工になるため、足場が不要で工期短縮につながり、窓ガラスの入れ替えもないことから無駄な産業廃棄物を出さない

設備改修ではできない、躯体部分の省エネを実現する「現場施工型後付けLow-Eガラス」にたどり着く

情報収集を進めていたA氏たちは、Web検索の結果から「AGC Glass Plaza」にたどりつきました。ページには、省エネに関する数々の受賞歴や、複層ガラスなどの製品が解決できる事例集、フィルムや1枚ガラスとの比較データなど、参考になる情報が多数掲載されていました。A氏はすぐに問い合わせを行い、掲載されていた現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」について詳しい説明を受けることにしました。

省エネシミュレーション試算では、年間を通じて窓近傍の空調負荷を約32.4%も削減。この削減率は、遮熱フィルムなどと比較すると圧倒的な数値でした。また、「アトッチ」は室内側から既存の窓に貼り付けるだけの施工なので、足場が不要で工期短縮につながります。

「アトッチは、既存の窓に室内側からLow-Eガラスを貼り付ける後付け窓でした。断熱性・遮熱性に優れており、後付けで、複層ガラスと同等の性能を得られることがわかりました。重要な省エネ効果について、アトッチは従来の遮熱フィルムと異なり、夏場の日射を大幅にカットするだけでなく、冬場の断熱性向上にも効果が見込めることがわかりました」(A氏)

今回の本社ビル改修に「アトッチ」を活用した場合の省エネシミュレーションを実施しました。空調負荷の削減効果を算定したところ、窓近傍で約27%以上になることが分かりました。この試算結果により、社内の合意もスムーズに取り付けることができました。

これらの結果を受け、今回の改修には「アトッチ」の採用が決定。都が掲げる「ゼロエミッション東京」の実現に向けた本社ビルの改修工事は、計画通りに進行できる見込みとなったのです。


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