空間演出(光コントロール)

ガラスは、光を透過させ、空間に明るさを採り込みます。また、その透過性により、素晴らしい景観や展示物を見るために窓や展示ショーケースなどに使われます。このガラスの光学的特性は、ガラス表面に特殊なコーティングすることなどで、調整することが可能です。ガラスによって透過・反射される光をコントロールすることで、様々な空間の価値を高めることも可能となります。

光コントロールによる空間演出

  • 光学的ノイズ・心理的ノイズの抑制
  • 空間の広がり

光学的ノイズ・心理的ノイズの抑制

通常のフロート板ガラスは、表面・裏面それぞれに約4%の可視光反射率を有し、外部から入射した約8%の光を反射します。
約8%の可視光反射率の数値は低く感じますが、残りの約90%の透過した光が内部で吸収されたり、内部からの光が外部より小さい場合、外部の反射像がガラス面に強く映り、内部が視認しにくくなります。
日中の光によりガラスに室外側の景色が反射して室内側がはっきりと見えない店舗などがそのケースに当たります。このような事象は、照度が高い方から低い方を見る場合に起こり得るため、夜間では逆に室内側の光がガラス面に反射し、美しい夜景が見えないなど、展望エリアや高層マンションなどでよくあるケースです。

■見せたいものを美しく(光学的な空間ノイズの抑制)

空間の見せたいものを美しく表現するには、ガラスの可視光反射率(光学的な空間ノイズ)を抑える必要があります。
外装にも使える低反射ガラス<クリアサイトⅡ>は、可視光線反射率を約0.9%に抑え、空間に生ずる光学的なノイズを除去します。

■入りやすい店舗づくり(心理的な空間ノイズの抑制)

カフェやアパレルショップなどガラスの反射によって店舗の中が視認しにくい場合、店舗に入りにくい印象を持つことがあります。ガラスの反射、光学的なノイズは心理的なノイズになる場合があります。
低反射ガラス<クリアサイトⅡ>は、空間の視認性を上げ、空間に生ずる心理的なノイズを抑え、店舗など内部に入りやすくなる、そんな感覚になります。

空間の広がり

裏面を金属面にしたガラス製の鏡<サンミラーG>は、大部分の可視光を反射し、鮮明な鏡面反射映像を映し出します。鏡を壁面に張り付けるとその反射映像により、空間が広がったような錯覚を得ることができます。鏡の反射映像は、反射成分の中でも光源から照明された角度と逆方向の同じ角度にはね返った光である正反射光によって得られるものです。一方、反射映像を映し出すことができない白塗りの壁などは、可視光反射は高いものの、その反射成分はいろいろな方向にはね返った光である拡散反射光であるため、鏡のような反射映像を映し出すことができません。
カラーガラス<ラコベル><ラコベルプリュム>は、裏面にインテリアをより際立たせる発色の良い塗装を焼き付けたガラスです。表面の約4%の正反射光が鏡面のように綺麗に空間を鏡映し、塗装面の拡散反射光で意匠の顔となるさまざまなカラーを表現します。正反射光の高い鏡とは異なり、カラーガラスで得られる落ち着いた鏡面反射像は、空間の奥行きを広げ、圧迫感を感じる空間に広さと安らぎを与えることができます。お洒落なカラーガラスで、空間を広げてみませんか?