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file.5 不適切な残響を抑える GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case1:金沢21世紀美術館
[レクチャーホール] Top
金沢21世紀美術館平面図 金沢21世紀美術館概略 設計者インタビュー
金沢市21世紀美術館建設事務局インタビュー
壁面に吸音材を使わずにガラス箱の不適切な残響を抑える
ガラスの部屋をレクチャーホールに使用する場合、問題となるのが音の不適切な残響――フラッター・エコー。視線を透過しながらフラッター・エコーを抑える方法とは?
DATA
■レクチャーホールガラス仕様
種別:フロートガラス
板厚:[外側]15ミリ [内側]22ミリ
サイズ:約1500mm×4000mm
南西側外壁
レクチャーホール全景
 本多通り口のホワイエ横に配置された96席のレクチャーホールはガラス壁だけで構成されていて、軽やかで、視線を通すようにデザインされている。この透明ガラス壁は意匠的な意味で採用されており、求められた遮音効果を得るため、二重ガラス構造とされている。結果として、コンクリートの壁と同等の遮音効果を得ている。二重ガラスの内側にはカーテンが設置されていて遮光することも可能。
 しかしそのように壁面素材にガラスを使用すると音の反射が繰り返されるフラッター・エコーが発生してしまう。適正な音環境が求められるレクチャーホールでは致命的な欠点だ。壁面に吸音材を張れば解決されるが、視線を透過する特長が失われてガラスを使用する意味が無い。こう判断した設計者は次のような解決を図った。それはガラス壁を傾けること。ガラス壁は平行であるから音の反射が繰り返されてフラッター・エコーが発生するのだ。ここでは内側のガラス壁上部を外側に少し傾斜させるような設置角度が付けられた。そうすることによって、音は天井方向へと反射してゆく。天井には吸音材を設置して、ここで音を吸収するという仕掛けだ。床面はコンクリートで音を反射してしまうので、ガラスの傾斜と天井の吸音面によって、フラッターエコーを回避し、適正な残響性能を確保している。
南東側外壁
レクチャーホール壁面。フラッター・エコーを抑える設計意図から内側の壁面が傾けられている。
レクチャーホール
左:内側のガラス壁 サッシは天井および床に埋め込んでいる。
右:外側のガラス壁
レクチャーホール レクチャーホールの二重ガラス壁断面図 レクチャーホールの二重ガラス壁断面図。内壁は天井にゆくにしたがって内側に傾けている


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