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case10:大林組技術研究所本館 テクノステーション GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.37 パッシブかつアクティブな省CO2システム
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概要 基本図面
大きなガラス開口部を持ちながら、エネルギー効率を上げるために。さまざまな仕組みを併用しながら、人々の意識を促す環境共生システムの全貌を教えてもらった。
「さまざまな技術を実証・体感できるよう、ひとつの建物に結集しています」

――環境負荷抑制のために採用された技術の概要を教えてください。

和田 CO2排出量55%削減を目標に、パッシブシステムとアクティブシステム、そして効率化を図るマネージメントシステムの3つを組み合わせています。

パッシブシステムのひとつは、ワークスペースの上部トップライトから採り入れた自然光の活用です。基本的に昼間は照明が不要で、雨の日など暗い日中には天井照明と手元のタスクライトで補完するようにしています。


2階ワークスペース。打ち合わせスペースなどを配した開口部周辺は、空調温度を緩和する「ペリバッファーゾーン」としている。
 
 

――トップライトには、どういったガラスを使われているのでしょうか。

和田 西日が入る時期もあること、また冬期にダウンドラフトが生じないよう、low-Eペアガラスとしています。

――開閉はどのようになされるのでしょうか。

和田 排煙窓のような単純なつくりの窓を電動開閉する仕組みです。自動制御も可能ですが、使い手の意識を促すためにあえて手動スイッチで開閉としています。建物がどのくらいエネルギーを使用しているか常時わかるようモニターで「見える化」して、自然換気の活用量やエネルギー削減量、費用に直した効果がわかるようになっています。換気可能なときはテロップが出るので、気づいた人が開ける仕組みです。

――どういう時期に開けているのですか?

和田 主に中間期です。4~5月の半分くらいの日には稼働しました。また夜間の熱だまりを逃すナイトパージにも使っています。

(左図)本館 テクノステーション 南北断面詳細図 ※上記断面図クリックで拡大表示されます。
(右写真)トップライトの窓には日射を直接下に落とさないようカットするフィンがついている。窓はルーバーの間にガラスを挟んだ形式で、ルーバーの角度や大きさは光の入射を年間でシミュレーションして割り出している。
 

――アクティブシステムとしてはどのようなものを採用されていらっしゃいますか。

和田 特殊なのは「パーソナル放射パネル」ですね。じわりと暖気や冷気を放射するパネルをデスクの周囲に整備して、人のまわりを効果的に空調します。エネルギー消費量は非常に少なく、実効性があります。

――建物に活用された、制震システムの概要を教えてください。

山中 スーパーアクティブ制震と言って、今まで実建物に適用したのは世界でも初めてという技術です。コンピュータ制御のシステムを用い、建物と地盤面に置いたセンサーで揺れを察知し、建物をアクチュエーターという装置で押し引きする仕組みです。地震で地面が右に動くと同じ量だけ建物は逆に左に動く。すると揺れがなくなるという理屈です。震動台を用いた実験では通常の免震構造より1/10以上揺れを抑えられることを確認しています。大地震が来ても立てた鉛筆が倒れないほど優れた性能を持ったシステムです。

和田 総合建設会社として蓄積した技術やこれからあるべき技術を実証し、お客さまに体感いただくことを目的のひとつとしていますので、さまざまな技術が1つの建物に結集されています。

 


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