——アクティブシステムとしてはどのようなものを採用されていらっしゃいますか。
和田 特殊なのは「パーソナル放射パネル」ですね。じわりと暖気や冷気を放射するパネルをデスクの周囲に整備して、人のまわりを効果的に空調します。エネルギー消費量は非常に少なく、実効性があります。
——建物に活用された、制震システムの概要を教えてください。
山中 スーパーアクティブ制震と言って、今まで実建物に適用したのは世界でも初めてという技術です。コンピュータ制御のシステムを用い、建物と地盤面に置いたセンサーで揺れを察知し、建物をアクチュエーターという装置で押し引きする仕組みです。地震で地面が右に動くと同じ量だけ建物は逆に左に動く。すると揺れがなくなるという理屈です。震動台を用いた実験では通常の免震構造より1/10以上揺れを抑えられることを確認しています。大地震が来ても立てた鉛筆が倒れないほど優れた性能を持ったシステムです。
和田 総合建設会社として蓄積した技術やこれからあるべき技術を実証し、お客さまに体感いただくことを目的のひとつとしていますので、さまざまな技術が1つの建物に結集されています。
|