case11:旭硝子株式会社 鹿島工場新中央工務棟 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.40 ETFEフィルムの素材特性と窓機能
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基本図面 開口部詳細図
前代未聞のETFEフィルム膜構造窓。それが強度をはじめとする基本性能を満たし、内部の居住性を損なわないものであることは当然だが、デザインとしての外からの見え方、内部からの視野などへの配慮も慎重に検討された。
内側のドット印刷
 

――使われているETFEフィルムの詳細を教えてください。

A/O: AGCのETFEフィルムの厚みは、最薄12ミクロンから250ミクロンまで7種類のバリエーションがありますが、種々の条件からここでは250ミクロンの厚みのものを使っています。屋外側には色フィルム(薄いブルー)を、室内側には透明フィルムに60%の遮蔽率を持つシルバー塗料を、面積比で43%のドット印刷をして使い、2層の間に常時加圧される空気層を持っています。フィルムの膜幅の規格1600mmに対し六角形ユニットの巾が芯々で2165mmのため、六角形の両側縦方向にヒートシール(熱圧着)の繋ぎがあります。フィルムの色と印刷パターンは多くのサンプルやモックアップで内外からの見え方を検討した結果です。

――膜構造は常時機械加圧とのことですが、どのようなものですか?

A/O: 内部圧力は500パスカルを基準としています。これにより六角形のユニットは中央部分で最大400mm程度の厚みを持つことになります。ユニットはいくつかのグループに分けられて圧力的に連結され、ポンプから専用チューブで空気を送られています。この構造で、通常の耐風圧性能として36m/Sを想定しています。

 
加圧空気供給部分
 
加圧された膜構造の応力解析モデル
加圧された膜構造の応力解析モデル
 
――膜構造が躯体に取り付けられるディテールもユニークさが感じられますが・・。

A/O: 基本的に、大きな開口部の室内側に六角形ユニットと同形の鉄骨構造があり、その外側250mm離れた位置にETFEフィルムがサポートされた表面構造を取り付けています。(図)六角形の形状や大きさ、フィルムの膜厚、内部気圧など様々な要素が強度に影響しますが、見た目にはフィルムに余計な皺が出ないことが重要で、できるだけシンプルな構造を目指しました。

 
 
六角形ユニットのアセンブルイメージ
 
ユニットの施工