case5:丸の内パークビルディング・三菱一号館 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.21 Low-E複層ガラスとエアフローウィンドウでPAL値193.3を実現
    Top
概要 基本図面
Low-E複層ガラスに、縦横の外部ルーバー、ブラインド、エアフローウインドウなどのシステムを組み合わせることで、省エネルギー効果と居住性を高める

タワー棟オフィスの窓回り外観。Low-E複層ガラスの外側に取り付けた
水平ルーバーおよびPC庇、縦フィンやPC柱により日射を制御する。
   

??  タワー棟のオフィスでは、窓回りで新たな試みをされたとうかがいましたが。

高田  まず省エネルギーのために、外側にLow-E複層ガラスを使っています。そして内側のガラスとの間に室内空気を循環させるエアフローウィンドウを、三菱地所の直営館賃貸オフィスとしては初めて採用しました。コールドドラフトを感じないように幅木部分から吸気して、エアフローウィンドウの間の空気層で窓回りの熱を回収し、天井の排気ダクトで吸い出しているわけです。このシステムによって、熱負荷の大きなペリメータゾーンから専用の空調機をなくすことができました。
室内側サッシュの大部分は、エアフローウィンドウ内の清掃やレイアウトの自由度を考慮したスライド式とし、役員室などが想定されたコーナー部は眺望を優先した突上げ式としています。また内側のガラスは、安全を考慮して合わせガラスとしました。
内部のブラインドは、屋上に設置した2台の太陽追尾システムと連動していて、全館、全自動でスラットの上げ下げと角度の調整が行われます。またエアフローでブラインドが揺れないよう、上部スリットの幅や形状を工夫して、つくりこんでいます。
さらに外部での日射調整として、ウィンドウ上部の水平ルーバーおよびPC庇と、外側ガラスの方立を兼ねた縦フィンやPC柱、ともに約50cmの奥行をもつものを配しました。

AGCの高遮熱断熱Low-Eペアガラス、サンバランス®ニュートラルグリーンを使用。板厚:8ミリ+中空層12ミリ+8ミリ。

断面詳細図
スライド式エアフローウィンドウ