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case7:ヤマハ銀座ビル GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.29 日本最大面積のケーブルグリッド工法によるファサード
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概要 基本図面
ガラスが軽やかに浮かぶようなファサードを表現するために、最大部で約16m×11mの大規模なダイアゴナルケーブルグリッドシステムのガラスカーテンウォールを採用。実現にはミニマムな支持材の開発が不可欠だった。
「表と裏、どちら側から見ても美しく軽やかなガラスを表現したかった」

―― ファサードにケーブルグリッド工法を採用された理由を教えてください。

茅野  ステンドグラスのようにガラス自体の美しさを見せる支持方法をと考えて、ケーブルグリッドの採用に至りました。書き割りではないファサードということを示すためにも、表裏どちら側から見ても美しく見えることが重要だと考えたのです。

―― 他の方法も検討されたのでしょうか。

茅野  他の工法では、支持材がガラスの表面に出て目立ってしまいます。ケーブルグリッドの場合は内側から見たとき、ほとんど支持材の存在感がありません。また、通常のガラスファサードはガラスの透明感を生かすように存在感をなくすもの。今回は透明感をつくるだけではなく、金箔合わせガラスを美しく軽やかに見せることも目的です。空中にガラスのみが浮かびあがっているような表現をするためには、ケーブルグリッド工法がふさわしいと考えました。


「重要なのは、ガラスを支持するケーブルクランプを
いかに目立たなくするかということ」

ガラス越しに銀座の街並みが広がる8階ホワイエ。ケーブルや支持材の寸法がミニマムに抑えられている。
ガラスファサードに接する10階の音楽教室ラウンジ。
写真:鈴木研一(上下)
 
室内側から見たガラスファサード詳細。
ケーブルクランプのサイズは
直径65mm、奥行き120mm。
 
 

――ケーブルのピッチや太さ、支持材の大きさなどはどのように検討を進められたのでしょうか。

白井  現場に入ってからほぼ毎週、外装分科会を2年ほど設けて検討を繰り返しました。特に重要なのは、ガラスを支持するケーブルクランプをいかに目立たなくするかということです。ケーブルクランプは直径65mmのステンレス製で、ロストワックスという蝋鋳型を用いてつくっています。この小さな部材の中には、ガラスを支持するだけではなく、施工誤差や面外変位の吸収までできる精巧な仕組みが内包されているのです。

――施工誤差や面外変位とは?

茅野  ワイヤーケーブルはカチッとした支持材ではないので、グリッド通りに張られるわけではないんですね。この誤差を三次元的に吸収する機構がとても大事です。

――日本最大面積のケーブルグリッド工法ということですが、なぜ日本では一般的ではないのでしょうか。

白井  ケーブルグリッド工法は風に対する変位が大きい工法で、日本で一般的ではないのは台風が来るからです。採用できた理由には、ファサードに面しているスペースは日常的な空間ではなく共用ロビーや吹き抜けなので、いざというときに変位があってもよいとご理解いただけたことがありますね。こちらでは再現期間100年の最大風圧時に生じる約250ミリの変位を想定しており、その動きに支持材が追随できる仕組みとなっています。

 
 
ケーブルグリッドカーテンウォール立面図
 
ケーブルグリッドカーテンウォール断面図
B部断面詳細図  →全体断面図を見る
 
C部部分詳細図 外観図
 
C部部分詳細図 内観図
C部部分詳細図 断面図