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——ケーブルのピッチや太さ、支持材の大きさなどはどのように検討を進められたのでしょうか。 白井 現場に入ってからほぼ毎週、外装分科会を2年ほど設けて検討を繰り返しました。特に重要なのは、ガラスを支持するケーブルクランプをいかに目立たなくするかということです。ケーブルクランプは直径65mmのステンレス製で、ロストワックスという蝋鋳型を用いてつくっています。この小さな部材の中には、ガラスを支持するだけではなく、施工誤差や面外変位の吸収までできる精巧な仕組みが内包されているのです。 ——施工誤差や面外変位とは? 茅野 ワイヤーケーブルはカチッとした支持材ではないので、グリッド通りに張られるわけではないんですね。この誤差を三次元的に吸収する機構がとても大事です。 ——日本最大面積のケーブルグリッド工法ということですが、なぜ日本では一般的ではないのでしょうか。 白井 ケーブルグリッド工法は風に対する変位が大きい工法で、日本で一般的ではないのは台風が来るからです。採用できた理由には、ファサードに面しているスペースは日常的な空間ではなく共用ロビーや吹き抜けなので、いざというときに変位があってもよいとご理解いただけたことがありますね。こちらでは再現期間100年の最大風圧時に生じる約250ミリの変位を想定しており、その動きに支持材が追随できる仕組みとなっています。 |
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