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——地上階のファサードは、上層部とは異なる工法なのですね。 鈴木 外部と直接関わるエントランス部分では、街と響きあうガラススクリーンをつくることを考えました。銀座は閉鎖的で中が見えない建物が多いんですが、こちらでは建物の内部を表出させたかったんですね。そこで高透過ガラスの透明感をより生かすような、支持材を極力少なくできて上層部とも共通するケーブルマリオンという工法を採用しました。 ——どのような仕組みなのでしょうか。 白井 エントランス部分のファサードは、高さが8mあります。この高さのガラスを支えるために、1階床スラブと上階トラス梁との間に、ここでは1本に20トン以上ものテンションをかけたケーブルを設置し、そのケーブルに大型ガラスのサポートの役割を持たせるのがケーブルマリオン工法です。他の工法として、ガラスのリブでフェイスガラスを支える方法などもありましたが、この高さに採用する場合、リブの奥行きがかなり必要になるので使い勝手も悪くなるのです。 鈴木 高さ8mの1枚ガラスで構成するのは難しいんですが、ガラスの寸法と支持方法、ひずみといった関係項がギリギリのバランスで実現できました。 茅野 自動扉の枠とガラスとの接点では、本来ならもっと大がかりなエクスパンションで揺れや変形を吸収する必要がありますが、ここではガラスとシールだけで解決しています。これは結構難しいことをしているのですが、あまりにもさりげなくあるので気づかれません。難しいことの解決策は意外に目立たないものなのです。 |
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