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case8:鋸南の家 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.32 美しい開口部のために
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概要 基本図面
南側のピクチャーウィンドウとは対照的に、他の窓は小さくメリハリがつけられている。これらの窓は枠の存在感がなく、ガラスのみが光や風景を切り取っている。開口部を美しく見せるための細部の工夫点を聞いた。
「窓枠を消すことには、かなり気をつかっています」。
 

――北側にある寝室の窓ですが、内部からはサッシが見えません。どのように納めているのでしょうか。

石井  他の建物でもよく使うディテールなのですが、框が見えないよう上下左右の外壁面に埋め込むような納まりにしています。サッシまわりを視覚的に消し、内側からはガラスだけが見えるようにしています。建物によっては、外壁側の框を塗りつぶして壁と一体化させたり、サッシ枠を消すように内壁側の下地材を調整して仕上げたりもします。窓枠を消すことには、かなり気をつかっていますね。

 
北側の開口部を見る。2階寝室の窓は、内壁側からは開閉部の縦框以外のサッシが見えない。
 

北側から見た外観。外壁側に窓枠を出していることがわかる。
 
北側開口部 縦断面図

 

 

北側開口部 水平断面図
 

―― かなり特殊な納まりをされていますが、お施主さんにはどのように説明されるのでしょうか。

石井  同じプランでも、隅々まで意識が行き届き、線を消すような納まりをする場合とそうでない場合はまったく違う建物になると伝えます。納まりを工務店任せにしたら全然違うものになってしまいます。また、窓枠を消すような納まりを採用する場合、ガラス交換する際に簡易な補修が必要になる場合もございますが、それほど交換が必要になるような場所ではないことを説明します。


―― 浴室の扉にもガラスが使われていますが、汚れやすいのが欠点です。メンテナンスについてはどのようにアドバイスされているのでしょうか。

石井  日々拭かない限りはきれいに保つことは難しいと伝えます。どうしても汚れてしまうので汚れが気になるなら毎日拭いてくださいと。でも、実際はきれいに使われれる方が多いのでありがたいですね。


――最後に、ガラスまわりの納まりを大事にされる意味や思いをお聞かせください。

石井  元々、ガラスは好きな素材です。光や視線を透過するという機能もありますが、素材そのものが美しいと感じるんですね。また、窓を始めとする開口部は、住宅のデザインには非常に大切な部位だと思っています。ところが付随してくるアルミサッシが美しさを阻害してしまうことがあります。光や影を演出する際にも、その光や影を純粋にそれだけで見せるために枠はない方がいいですよね。可能な限り単線で納め、ガラスをガラスだけで見せたいという考えから、このようなディテールを採用しています。


写真:鳥村鋼一

浴室のガラス扉
「鶴ヶ島の家」の内観(参考)。ガラスまわりのサッシを極力消すことにより、自然光による繊細な陰影が感じられる空間となっている。