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case9:ユニクロ 心斎橋店 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.33 心斎橋という街で、どう見えるか
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概要 基本図面
都市における見え方と、ブランドの表現。ETFEフィルムを外装に採用した理と、グリッド状のデザインの意図を藤本壮介氏に聞いた。
「ユニクロらしさを表現する」
左/日中の北側外観。右/夜景。ETFEフィルムが立体的な形を保つよう、空気を送り込む仕組みを持つ。
写真:生田將人
 

――外装にETFEフィルムを採用した、きっかけを教えてください。

藤本 「ユニクロ 心斎橋店」は日本初のグローバル旗艦店という位置づけです。ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海に続く5店舗目で、これまでの4店舗は基本的にはインテリア。外装まで手がける今回は、都市における存在の仕方をどうするか、ということが課題になりました。そこでトータルプロデュース・クリエイティブディレクターという立場で関わる佐藤可士和さんと「(明快さを特色とする)ユニクロというブランドを表現するわけだし、ごちゃっとした街なので、ただ真っ白、というビルもアリかもしれないね」という話をしたのです。

――そこでETFEフィルムが候補に挙がったのですね。

藤本 真っ白、といっても白ペンキでベタッと塗りつぶすようなものでは面白くないですし、何かいい方法はないかなと考えまして......。ETFEフィルムのことは素材としては知っていましたが、これまでにある海外事例のようなムキムキとした表現になるのはどうかな、と少し躊躇してもいました。

――採用の決め手とは?

藤本 膜構造のシステム開発に実績のある太陽工業に相談して、面を形成するためにどのくらいの膨張率が必要か、といったことを教えてもらい、簡単な絵を描いてみたのです。すると何とも不思議な存在感の絵ができました。都市のランドスケープをつくる意味で、重要な役割を担うものになりそうだ、と手応えを感じたのです。また耐火上の制限により、これまで国内では外装に使われていませんでしたが、今回は耐火構造の外壁面の外装とすることでクリアできそう、というおおよその目処も立ち、ユニクロの柳井正社長も気に入ってくれて、採用することになりました。

 
「大きいのか小さいのか、わからないものをつくりたかった」
 

―― 一辺2.7mというグリッドサイズは、どのように決められたのでしょうか?

藤本 大きいのか小さいのか、何階建ての建物なのかわからない、というものをつくりたかったのです。一辺2.7mというのは、与えられた条件では可能なかぎりの最大サイズです。ETFEフィルムのパネルは風船のような膜構造なので、2枚のフィルム間の厚さと一辺の大きさに相関関係があります。敷地境界と建物の関係や、外壁との取り合いから決まる厚さの限界から逆算しました。あとは建物のサイズとの関係で、割り切れる数字になるかどうかを検討して、2.7mという数字を出しています。ビルの階高よりちょっと小さいので、建物のスケールがわからなくなるのが面白いのではないかと思っています。

―― ETFEフィルムを使ってみてのご感想は?

藤本 できあがったときは、使い方による“質感の仕草”の違いに驚きましたね。都市でのボリュームの見せ方やグリッドによる反復など、同じ素材でも使い方によって質感や存在感が大きく変わります。時間や天候による変化も不思議で、これは面白い素材だなと思いました。デリケートでしなやかな曲面がつくれるので、内装材としても可能性がありそうですね。

 

断面詳細図
2層のETFEフィルムを合わせたパネル厚は約600mm。
建物外壁との間にメンテナンス用の隙間を設けている。
※上記断面詳細図画像クリックで拡大表示されます。

 

 
 

 



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