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case9:ユニクロ 心斎橋店 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.34 LED照明が放つメッセージ
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概要 基本図面
ETFEフィルムによる外装は夜間、LED照明によってカラフルな光を放つ。昼間は真っ白な建物が、がらりと表情を変える。シリウス ライティング オフィスの戸恒浩人氏に照明演出の意図と工夫を聞いた。
「立体感のある光をつくる」
光のパターン。コーポレートカラーの赤白ロゴから「阪神タイガース風」まで多彩。
写真:生田將人
 

――照明計画の基本的な考え方を教えてください。

戸恒 最初の課題は、最小限のLED光源でグリッドごとにぽこっと光って見え、かつ全体的にもきちんと光ることでした。ETFEフィルムの透過率はそれほど高くはないので、少々の光量では足りません。

――膜の形を見せるために、どのように光らせているのでしょうか。

戸恒  これだけの膨らみのある外装で、しかも真ん中は球面に近く外側は平面に近い微妙なカーブを持っています。それなら光自体も「ぽこっとしたもの」にしたい。でも光は遠近感がないので難しいのです。均質に照らしても遠近感は出ないのです。だから1つひとつのパネルも強調しつつ、立体感を表現し、グリッドをまたいでにじむような光も出せるようにも工夫しました。

照明パターンの1つ。「グリッドをまたいでにじむような光」が独特の表情だ。
写真:生田將人
 
「映像で建物を擬人化する」
 

――では、カラフルな動く照明とした理由とは?

戸恒  実はユニクロの方も、佐藤可士和さんも、コーポレートカラーであるシンプルな赤白の照明を想定していらっしゃいました。でも、テスト運転の機会があったので、いろんな映像を用意したのです。過剰なくらい(笑)。するとみなさん興奮して、「心斎橋だし、どんどんやろう。にぎやかなほうがいい」という方針に変わりました。

――心斎橋という場所ならではの表現なのですね。

戸恒  そうですね。そのときにまわりにいた方からも反応がよくて「もっとやれ」と煽られました(笑)。関西なので早い展開の方がなじむだろうと、パッ、パッと小気味よく動いて、5秒ごとにクスっと笑えるようなものを意識しました。

――季節やイベントにあわせて、いろんなことができそうですね。

戸恒  最初は合計17パターン用意して、15分に1度流すようにしました。今は運営者の方が自ら用意したパターンも使っていて、クリスマスにはトナカイが歩く映像を流したりしたそうですよ。

――いわゆるネオン看板やディスプレイとは、どう差別化されていますか?

戸恒  華やかではありますが、広告的なものではなく一種の環境アートのような、その場を楽しくさせるものを狙っています。ETFEフィルムの服を着ているようなイメージの建物だから、建物を擬人化するようなことも考えました。「あいつ」って呼ばれるような、なんか気になるヤツ、という存在になってほしいなと。そして表現自体は単純明快、でも仕組みは難しい。そういう部分はユニクロの服と同じですね。

 
さまざまなシーン、アングルからユニクロ心斎橋店を捉えた動画。周辺環境に対する独特の存在感、
柔らかく立体的なLED照明の効果、バリエーションに富んだ照明演出がわかる。