名古屋マリオットアソシアホテル
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【名古屋マリオットアソシアホテル】
株式会社ジェイアール 東海ホテルズ現場施工型後付けLow-Eガラスで遮熱・断熱効果を高める 客室の快適性向上へ、
「アトッチ®」採用<導入事例>名古屋マリオットアソシアホテル
「名古屋マリオットアソシアホテル」から結露が軽減されたワケ
現場施工型後付けLow-Eガラスで遮熱・断熱効果を高める客室の快適性向上へ、 「アトッチ®」採用
名古屋マリオットアソシアホテルでは、客室改修に伴って結露が軽減されつつある。睡眠時の快適性を確保するため、湿度や気流など、室内空気質にこだわった高層ホテルならではの眺望を持つ客室が、ようやくその本領を発揮する環境へと整ってきた。冬場の冷たい外気によって、窓ガラスの表面温度が下がることで発生する結露を防ぐのは、客室側から取り付ける現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ®」である。
(日経アーキテクチュア 2016年12月22日号 掲載)
名古屋マリオット アソシアホテル
〒450-6002
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4
TEL. 052-584-1111
https://www.associa.com/nma/「客室の価値を引き出すことができました」
客室の問題点:シングルガラスの客室窓 快適な湿度では冬に結露
・水滴で眺望の良さが妨げられる
・結露が原因で窓枠周りの修繕必要アトッチで解決!
Low-E複層ガラスで結露軽減へ 遮熱にも効果発揮
・高層ならではの眺望を楽しめる
・結露対策は万全で衛生的
・遮熱性・断熱性の向上で冷暖房負荷軽減へジェイアール東海ホテルズでは、現在、名古屋駅に建設中のJRゲートタワー内に2017年4月、
客室数350のホテルを開業予定。併せて、2017年1月から順次、同駅の真上にそびえる名古屋マリオットアソシアホテルの客室774室の改修工事に取り掛かる。開業16年余り。インバウンドへの対応を迫られるなか、快適性・機能性を高め、時代に見合った内装に改める。室内空気質にこだわった客室反面、結露が眺望を損なう
JR名古屋駅直結の名古屋マリオットアソシアホテル。地上52階建てのJRセントラルタワーズに入居する国際的なシティホテルで開業は2000年5月。客室774室は全て20階以上に位置する同社設備担当者は「名古屋マリオットアソシアホテルは、改修によって建設中の新ホテルとの違いを打ち出し、競争力を高めていきます」と話す。
同ホテルはもともと、「快適な眠り」が可能な環境を実現しようと、室内空気質にこだわっていた。「ホテルの滞在時間帯は夜。睡眠の満足感と客室の快適性がホテルの評価につながります」(設備担当者)。
こだわったのは、湿度と気流の制御だ。建設当時を振り返り、設備担当者はこう解説する。「室内空気質を決める要素の中で湿度と気流は制御しにくい。設計の段階から配慮が欠かせません」。空調機器に関して言えば、取り込む空気に湿気をより含ませやすい蒸気加湿を採用し、湿度管理を徹底したという。ところが客室の窓は、設計当時のやむを得ない事情からシングルガラス。冬場の結露を生んでしまう。結露防止には客室を乾燥させるほかないが、それでは室内空気質へのこだわりを生かせない。しかも、名古屋マリオットアソシアホテルの客室は全て地上20階以上。売り物の一つである眺望が、結露で妨げられてしまう。
悩ましい状況が続くなか、設備担当者が3年前にようやく出会ったのが、現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」だ。取り付け前後の熱貫流率を試算すると、ガラスの表面温度の違いから結露を防止できることが確認できた。
16年9~10月には、グレードの高い客室を配置する3フロア・76室で現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」の取り付け工事を実施した。翌17年1~3月にはこれらの客室を改修し、機能やデザインを時代に見合ったものに改める今後も改修工事に併せてLow-E複層ガラス化を
すぐに24階の客室で、その後、37階の客室でも
試験施工に踏み切った。以降、施工上の課題を探り、
納まりや結露に対する効果を確かめてきた。
「最初の試験施工箇所ではふた冬を越して、
結露は発生していません。更に遮熱性が高まることから、
夏場には冷房負荷の軽減も図れそうです」。
設備担当者は効果を認める。試験施工での納まり確認や
効果検証を受けて、ジェイアール東海ホテルズでは
「アトッチ」の採用を決める。
本施工はホテル全体の改修工事に併せて、
グレードの高い客室を配置する3フロア・76室から開始、
気候の影響がある冬場を避けて、
16年9~10月に一足早く「アトッチ」の施工を済ませた。施工を担当したのは、AGC硝子建材。名古屋ビル支店営業部リノベーショングループの吉野利樹氏は、「フロア全体としては客室を稼働させながら、6室単位で段階的に進めていく必要があったため、安全確保に向けて現場作業員を増強するなど、施工上の課題に対応しました」と話す。
1月から順次始める客室内装などの改修工事は「向こう3~4年をめどに終えたい」と設備担当者。併せて客室窓のLow-E複層ガラス化も、今回同様に進めていく方針だ。
ガラスの納まりは、サッシ枠に納める通常のタイプ(写真左)とガスケットを用いて外装材のPC板に固定するタイプ(写真右)の2種類。後者のタイプは標準施工では対応できないため、「アトッチ」取り付け用のアルミ部材を、意匠性にも配慮しながら機械部品メーカーの中央発條株式会社と共同で開発した施工担当者に聞く部材開発で標準施工外の取り付けに対応
AGC硝子建材株式会社
名古屋ビル支店
営業部
リノベーション
グループ
グループリーダー
吉野 利樹 氏ガラスの固定にガスケットを用いた納まりであったことから、標準施工外の取り付け方を開発する必要がありました。ガスケットでは「アトッチ」の荷重を受けることができないためです。そこで、その荷重を受けるためのアルミ製の部材を新しく開発しました。意匠上の理由から細さを求められましたが、この部材を窓周りにはめ込んだ時に座屈しないように、一定の剛性を確保する必要もありました。また客室内に部材がなじむように、窓周りと同じツヤを抑えた「白」を表現することも求められました。条件を全て満たす部材を開発できたことで、今後は標準施工の幅が広がります。
当支店では、リニューアル以外のガラスファサードのご提案や技術サポートも行っています。(談)関連ページ