

『遮音と窓ガラス』の三回目、
 騒音とガラスの遮音特性との関係について解説します。
                            
                        
家庭での日常生活における悩みの大きな騒音の一つに、“道路騒音”があります。
 一口に“道路騒音”と言っても、一般国道と高速道路では、騒音レベルや周波数特性が異なります。
                        

道路騒音のグラフは右下がりで、低い周波数の音圧レベルが高くなっています。
 これに対して、ガラスの透過損失は右上がりで、高い周波数ほど
                            
 遮音性能が上がる性質を持っています。
                            
 これでは、低い周波数の騒音が透過してしまいます。
                            
 単板FL6とペアガラスFL3+A12+FL3の透過損失を比べると、
                            
 ガラスの総厚みは同じ6ミリであるものの、1000Hzまでは低音域共鳴透過によって、
                            
 ペアガラスの性能が低くなっていることが分かります。
                            
                            
また、単板とペアガラスの遮音性能を比べると、
 透過損失の平均値ではほとんど変わらないものの、
                            
 遮音等級ではペアガラスの方が低くなっています。
                        
| ガラス | 遮音等級 (JIS A4706)  | 
                                遮音等級 (JIS A4706)  | 
                            |
| 1/3 オクターブ  | 
                                オクターブ | ||
| 単板FL6 | 28dB | Ts-25 | Ts-30 | 
| ペア3+A12+3 | 27dB | Ts-20 | Ts-20 | 
| 合わせペア 3+A12+L6 (3+3)  | 
                                31dB | Ts-25 | Ts-30 | 
ペアガラスは、もともと断熱性能の向上を狙ったもので、
 遮音性能を向上させるものではありません。
                            
 それでも遮音性能を向上させたいなら、異なる厚みの
                            
 ガラスを使用して、それぞれの板厚を上げるのが
                            
 効果的でしょう。
                            
 でも、一般的には同じ厚みの構成がメインで、わざわざ異厚を選ぶ人は少ない…。
                            
 そこで合わせペアガラス。サンバランスセキュリティー/ペアガラスセキュリティーなら、
                            
 異厚になる場合が多いことと、中間膜の効果で遮音対策にも効果的!
                        
防犯・断熱に効果抜群の合わせペアガラスは、
 遮音効果も期待できる多機能ガラスだったのです。
                        
※透過損失平均値は、100~2500Hzの範囲での1/3オクターブバンド周波数ごとの
     測定結果の算術平均値です。
                            
     なおJIS A4706の1996年版から、遮音等級の表記がT-1~T-4となっていますが、
     ここでは旧版の表記法であるTs等級で表示しています
                            
     (詳しくは、AGC板ガラス建材総合カタログ 技術資料編をご参照ください)。
                            
                        
