エコガラス / エコガラスS (断熱エコガラス)・
Low-E複層ガラス

省エネやエコ、快適性向上の観点から、窓ガラスの断熱性能を向上させることは重要です。Low-Eガラスを用いた複層ガラスをLow-E複層ガラスや断熱エコガラスといいます。熱の逃げやすさを示す熱貫流率は単板やLow-Eを用いない複層ガラスと比較して大きく改善します。

エコガラス・断熱エコガラス(Low-E複層ガラス)とは

エコガラスとは板硝子協会が推奨するガラスで、板硝子協会の会員であるAGC(株)、日本板硝子(株)、セントラル硝子プロダクツ(株)の3社が製造するLow-E複層ガラスの共通呼称です。窓ガラスからの熱の出入りを防ぎ、室内を快適に保つとともに冷暖房の効率を上げ、発生するCO2排出量を削減できる地球環境に優しいガラスです。AGCではLow-E複層ガラスを断熱エコガラスとも呼びます。

エコガラスはガラスの断熱性能を高めるために2枚のガラスの間に断熱性の高い乾燥気体(乾燥空気、アルゴン等)を封入し断熱層を設けたガラスが複層ガラスです。
また、Low-E膜をコーティングしたLow-Eガラスを用い、中空層の放射熱移動を抑え、さらに熱貫流率を低く抑えたのがLow-E複層ガラス(断熱エコガラス)です。省エネ意識が高まっている窓ガラスの標準は、Low-E複層ガラス(断熱エコガラス)になっています。

Low-E複層ガラス<サンバランス>は、断熱性能が一層高まり、居住者の温熱快適性を一層高めてくれます。

エコガラスの上位グレード「エコガラスS」

「エコガラスS」※1は1枚ガラスの約5.4倍、複層ガラスの約2.6倍、エコガラス※2の約1.5倍の優れた断熱性能を発揮します。

JISの
断熱性能区分
ガラスの
熱貫流率W/(㎡・K)
エコガラス区分 エコガラスマーク 代表的なガラス仕様
T6 1.1以下 エコガラスS エコガラスSのロゴ サンバランス トリプルガラスサンバランス ビル用

※構成によって異なります

T5 1.1超え、1.5以下
T4 1.5超え、1.9以下 エコガラス エコガラスのロゴ サンバランス ビル用サンバランス 住宅用
T3 1.9超え、2.3以下
T2 2.3超え、2.7以下
T1 2.7超え、4.0以下

エコガラスをはじめとしたLow-E複層ガラスは新築戸建住宅での採用率が約8割に達し、窓ガラスのスタンダードになっています。
最近では、より省エネ・断熱性に優れたZEH※3、HEAT20※4、など高性能な住宅の普及に向けた取り組みが増えています。
「エコガラスS」は、これらの住宅に最適な高性能なエコガラスで、より快適で健康で省エネな住宅づくりに貢献します。

  • ※1:ダブルLow-E 三層複層ガラス(中空層 9ミリ×2/断熱ガス入り)
  • ※2:Low-E 複層ガラス(中空層 12ミリ)
  • ※3:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス
  • ※4:2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会

1枚ガラス、複層ガラス、エコガラス、エコガラスSの断熱性能比較1枚ガラス、複層ガラス、エコガラス、エコガラスSの断熱性能比較

「エコガラスS」のガラス仕様例

Low-E複層ガラス
(中空層16ミリ/断熱ガス入り)
ダブルLow-E三層複層ガラス
(中空層9ミリ×2/断熱ガス入り)
ガラス
断面イメージ
Low-E複層ガラス ダブルLow-E三層複層ガラス
ガラス中央部の
熱貫流率※1
1.4[W/(㎡・K)] 1.1[W/(㎡・K)]
JISの
断熱性能区分
T5 T6
AGCの
主な対象商品

サンバランス ビル用
※構成によって異なります

サンバランス トリプルガラス

  • ※1:平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)による(出典:国立研究開発法人建築研究所)
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「エコガラスS」の断熱性能

  • ガラス中央部の表面温度
  • 室内温度
  • エアコン使用後の室内温度変化

ガラス中央部の表面温度

「エコガラスS」は高い断熱性能で冬期のガラス表面温度に違いが表れます。

外気温が-5℃、室内温度23℃の時にエコガラスSのガラス中央温度は約20℃あり、冬場の窓際の寒さ(コールドドラフト)を軽減し、室内温度の低下も防ぎます。もちろんガラス表面の結露防止にも効果的です。

  • ※冷たい窓辺から発生する下降冷気のこと

ガラス中央部の表面温度ガラス中央部の表面温度

室内温度

「エコガラスS」は、室内温度差に違いが表れます。

室内設定温度23℃の暖房運転時、複層ガラスは窓からの冷気が室内に影響するため、窓際の足元では15℃程度になります。一方、エコガラスSは2℃以上温度が高く、室内の温度差も少なく、快適な室内環境づくりに貢献します。

室内温度分布室内温度分布

エアコン使用後の室内温度変化

「エコガラスS」は、暖房を切った後の室内温度に違いが表れます。

夜間、暖房を切ると徐々に室内温度は低下。エコガラスSは高い断熱性能で、朝7時の室内は複層ガラスと比べて約2.5℃も暖かく、夜間から朝方に心配なヒートショックの対策にも有効です。

エアコン使用後の室内温度変化エアコン使用後の室内温度変化

  • サンバランス
  • サンバランス トリプルガラス

サンバランス

サンバランス断面図

<サンバランス>は光を通しながら、遠赤外線を反射するLow-E膜(熱の移動を抑える低放射膜)をコーティングしたLow-Eガラスを使用した複層ガラスです。
住宅やビルの開口部の遮熱・断熱、採光のバランスを最適にすることによって、省エネによるCO2削減効果で地球温暖化防止に貢献します。

1年通しての高い断熱と夏場の遮熱性を高めるには<サンバランス>日射遮蔽型が、冬場の晴天時の日射光を取り入れたい場合は<サンバランス>日射取得型がおすすめです。

<サンバランス(ビル用)>
日射遮蔽型:サンバランス アクアグリーン、サンバランス スーペリアクール、サンバランス ブルーグレー、サンバランス プレミアムクール
日射取得型:サンバランス ピュアクリア、サンバランス シルバー

<サンバランス(住宅用)>
日射遮蔽型:サンバランス アクアグリーン
日射取得型:サンバランス ピュアクリア、サンバランス シルバー

サンバランス トリプルガラス

サンバランス トリプルガラス断面図

<サンバランス トリプルガラス>は、遠赤外線を反射するLow-E膜(熱の移動を抑える低放射膜)をコーティングしたLow-Eガラスを2枚、一般のガラスを1枚、合計3枚のガラスを使用したトリプルガラス構造の断熱ガラスです。
中空層を2層作り、さらにアルゴンガスを封入することで、<サンバランス>よりさらに高い断熱性能(熱貫流率0.80W/(m2・K))を実現しました。

  • ※ガラス構成/SBP3+Ar11+FL3+Ar11+LP3

持続可能な社会実現への貢献、カーボンニュートラルなど、省エネ性の追求はさらに高まり、より高断熱なガラスが必要とされています。
<サンバランス トリプルガラス>は、住宅の開口部の遮熱・断熱、採光のバランスを最適にすることによって、省エネによるCO2削減効果で地球温暖化防止に貢献します。

建材トップランナー制度の目標基準値達成マーク

エコガラスは、建材トップランナー制度で目標基準値を達成しているガラスです。目標基準値を達成している製品には基準値達成マークを表示することができます。

  • ※建材トップランナー制度とは、経済産業省資源エネルギー庁が、製造事業者に対して、製品の省エネ性能向上を義務付ける制度です。
    従来のトップランナー制度は、エネルギーを消費する機械器具が対象でしたが、自らエネルギーを消費しなくても、住宅・ビルや他の機器などのエネルギーの消費効率の向上に資する製品として2014年に建築材料(複層ガラス及びサッシ)が対象となりました。