大開口

ガラス張りのビルを外から見た時に全面ガラスの壁面に映る青空にうっとりしたり、エントランスに入った時に3~4階分もある吹き抜けの高いガラス空間を見上げたり、外に広がる景色をうっとりと眺めたりすることがあります。光をたっぷりと建物の内部に採りこみ、壁があることを意識させない広がりを感じさせるのが“大開口”ガラスシステムです。

ガラスシステムは、「ガラス+部品」または「ガラス+部品+支持部材」などをひとまとまりと捉え、システムとして機能することにより高い性能やひと味違う性能を示し、「透明美」をコンセプトとしたガラスの特性を最大限に発揮した商品群です。

ガラスシステムは、提案設計から施工まで一貫して扱い、エンジニアリングを伴う「フレームレスガラスファサードシステム」と、「ガラス+部品」をユニット販売する「ガラスユニット」があります。

■フレームレスガラスファサードシステム

AGC硝子建材㈱で個別にエンジニアリング技術対応するガラスファサードシステムです。(テンポイント、メタルポイントなど)

■ガラスユニット

主にAGCで部材をユニット販売する商品です。(グラサード)

ガラスユニット使用例

フレームレスガラスファサードシステムは、高度な解析技術と評価技術に支えられています。
透明美を実現するために必要なのは、フレームレス構法の要素技術とそれらの性能を引き出す解析技術と評価技術です。
AGCの総合力に裏付けられたソフト技術が、フレームレスガラスファサードの可能性を広げます。

図:強化ガラスの孔強度試験(破壊後)/図:強化ガラスの孔部FEM解析結果

■フレームレスガラスファサードシステム

フレームレスガラスファサードシステムの多くは、個別物件対応の設計行為や強度・温熱解析などのエンジニアリング技術が必要となることが多く、ソフト技術とハード技術が一体化して真価を表します。最大の特徴は、『ガラスの可能性を拡大し、透明美を追求すること』、および要素技術の組み合わせによる『オリジナリティ』の実現にあります。

  • ガラス固定方法
  • 支持構造体

ガラス固定方法

図:テンポイントとメタルポイントのガラス固定方法

フレームレスガラスファサードシステムの基本要素として、外観意匠上のポイントとなるガラスの固定方法です。ガラスの固定部分を最小限とすることにより、ガラスの透明性を最大限に生かしたフレームレスガラスファサードを提案します。外力に対して、ガラスに過度の応力集中が発生しないように設計された安全性を配慮した固定方法です。

■孔あき点支持 —テンポイント

ガラス四隅に加工した皿孔と、ロチュール(特殊ヒンジボルト)によりガラスを支持します。皿孔を用いるため、ガラス表面は完全なフラットサーフェスとなります。

■孔なし点支持 —メタルポイント

ガラスエッジを表裏から緩衝材を介して金物で挟み込んでガラスを支持します。風圧力などの外力によるガラスの面外変形に対して緩衝材の変形により、ガラスに発生する応力を抑えます。

「フレームレスガラスファサードシステム」には、テンポイント、メタルポイント、スリットペア、エッジスリット、ディンプラスなどがあります。

支持構造体

図:ガラス構造体例/図:テンション構造体例

ガラスの自重や外力を確実に支持する透明、スリムな構造体です。
ガラスの透明美と支持構造体の構造美の共存により、フレームレスガラスファサードの魅力的な空間を提案します。支持構造体は、様々なガラス固定方法に対する組み合わせが可能です。建築設計者の方や構造技術者の方とのコラボレーションの中でガラスエンジニアリング技術を生かしたサポート、コンサルティングを行っています。

■ガラス構造体

構造部材としてガラスを用いることにより、ガラスの透明性を最大限に生かしたファサードを構築することができ、フレームレス構法との組み合わせは、様々な可能性を実現します。ガラスは脆性材料であるため、構造部材としての使用に関しては各種解析により、その安全性を確認します。

■テンション構造体

ガラス支持構造部材にケーブルやロッドを用いることにより、構造体を極限までスリム化しています。ケーブルやロッドに初期張力を加えるため、風荷重に対して常に引張材として有効に機能します。

「フレームレスガラスファサードシステム」には、テンポイント、メタルポイント、スリットペア、エッジスリット、ディンプラスなどがあります。