導入事例

ガラスが変わると暮らしがかわります。
ガラスに求められている機能や性能に関する知識をご提供します。

快適な室内

8.音−1(「音」の基本から考えましょう)

快適な室内の音環境を考えるにあたり、板ガラスはじめ各種カタログを見る際に役立つ音の基本事項を解説します。

音の高低(Hz=ヘルツ)

音の高低を表す記号(単位)はHzでこの数字は音源が一秒間に振動する回数(周波数)を表します。数字が大きいほど高い音になります。例えば現在の88鍵のピアノの左端の一番低い音は27.5Hz、右端の一番高い音は4186Hzと決められています(図 1)。

【画像】(図1)

(図1)88鍵ピアノの鍵盤

人間の耳の聞こえ方は個人差が大きく、周波数によっても聞こえ方が異なりますが、一般的には20Hz~20,000Hzが可聴範囲とされます。しかし音程としての差を理解できるのは20Hz~4,000Hz程度までで、ピアノが最大88鍵の理由もここにあるようです。
人間の声の周波数は、女声は平均的に300Hz、男声は100Hzと言われます。またNHKのラジオの時報「プ・プ・プ・ピーン」の音程は「プ」が440Hz、「ピーン」が倍(1オクターブ上)の880Hzと決められています(図2)。

【画像】(図2)

(図2)NHKのラジオ時報の音程

音の大きさ(dB=デシベル)と透過損失

音の大きさ・強さは「音圧」という言葉で表され、そのレベルを表す単位はdB。参考までに私たちが日常耳にする、おおむね定量的な生活音や騒音をdBで表すと(表1)のようになります。

【画像】(表1)

(表1)身の回りの音場や生活騒音

人間の耳は音圧のレベルを正確に識別できるとは言えませんが、音の減衰と音量(dB)の関係をごく簡単に言うと、-6dBで音のエネルギーは半分に、-20dBで1/10になります。
音エネルギーの減衰値は窓の防音を考える際にカタログ上での性能を見る参考になる値ですが、dBは対数表現の単位で直観的に分かりにくいため、音圧の差と倍率の関係を表にしておきます(表2)。
壁や窓を音が通過するとき、音のエネルギーは減衰しますが、この時の音エネルギーの減り具合を「透過損失」(図3)と言い、単位はdBで表します。文字通り音エネルギーが部材を透過するとき失われる値で、この数値が大きいほど防・遮音性能に優れる材料と言えるわけです。
代表的な建材の平均透過損失値を(表3)に挙げます。各材料の厚さにも注目してください。

【画像】(表2)

(表2)音圧の差と音のエネルギーの倍率の関係

【画像】(図3)

(図3)透過損失のイメージ

例えば透過損失6dBの材料を音が通り抜けると音エネルギーは1/2になる。

【画像】(表3)

(表3)各建材の平均透過損失値

音の吸収・反射

コンサートホールなどでは吸音材や反射板を用いて最適な音場が設計されますが、住まいでも床・壁・天井などの室内各部位の仕上げが音環境の快適さに影響します。音は空気の振動エネルギーで音源から波状に伝わるので、その波が室内の仕上げ材に当たったとき、材料によって反射や吸収が起こります。
一般的な住宅では内装の床・壁・天井がすべてコンクリートやガラスや石材などの硬く平滑な材料ということはありませんが、もしこのような空間があると、これらの材料の間で音の反射が繰り返され、減衰に時間がかかり残響の大きな空間になります。このような空間では普通の会話も聞き取りにくく困難で、少しの音でも騒がしい印象になります。
住宅は室内にカーペットやカーテンなど吸音傾向の材料が多く使われる上、家具などが置かれて単一な反射が回避されるため不快な残響は起こりにくいのですが、静かな音環境のためには吸音としての内装仕上げの役割も大きいと言えます。

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