ガラスは衝撃で割れる、という認識は幼児を除いて全ての人に共有されていると思います。硬くて重いものが相応のスピードでガラスにぶつかると割れます。この衝撃力は一般的に短期的(瞬間的)かつ集中的な荷重です。ガラスの強度計算はガラスの種類や厚さごとに算定された「許容応力」内に収まるよう、想定される環境で安全な板厚や施工方法が選択されます。 しかし例えばビール瓶を板ガラスに投げつけるような場合(図1)は、その速度やガラスに当たる瓶の位置や角度など不確定な要素により定量的に計算するのは難しく、どこまでなら破壊しない、という計算は意味がないと言えます。これは台風時に強風で飛ばされる瓦などの飛来物による衝撃も同じですが、飛来物に対する安全性を確認する方法として「暴風時における飛来物衝突試験」がJIS R 3109に規定されています。