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スペシャルインタビュー

Vol.2 ユーザーインタビュー ― 「庭園もまた一幅の絵画である」 足立全康の信念を継承し、低反射ガラスを採用。(公益財団法人 足立美術館 学芸部長 安部 則男 様)

米国の日本庭園門誌「Sukiya Living Magazine / The Journal of Japanese Gardening」※2の日本庭園ランキングにおいて14年連続庭園日本一(2017年取材時点)を誇る足立美術館。フランスの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも、その美しい庭園が三ツ星評価を受けるなど、いま、世界的な称賛を浴びています。自然の山々を借景とした5万坪の広大な日本庭園と横山大観をはじめとする近代日本画壇の巨匠たちの名画。その輝かしい展示品を飾るにふさわしいガラスとして採用されたのがAGC旭硝子の低反射ガラス※1です。世界的な美術館の審美眼に適った魅力について足立美術館の学芸部長・安部則男様に伺いました。

※1 足立美術館でご採用いただいているのは、クリアサイトではありません。旧タイプの低反射ガラスです。

※2 『数寄屋リビング/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』…アメリカ在住のダグラス・ロス氏が日本庭園を世界中に紹介するために1998年に創刊した隔月刊誌。
英語圏を中心とする世界37ヵ国の人々に定期購読されています。 同ランキングは、歴史的価値、規模、知名度ではなく、庭園の質、庭園と建物との調和、利用者への対応といったホスピタリティ等「いま現在鑑賞できる日本庭園としていかに優れているか」を基準に調査・選考されています。

学芸部長 安部 則男 様

いま、世界的に注目されている美術館、やはり来場者も増えていますか?
そうですね。年間約65万人の方が来場されています。島根県の決してアクセスが良いと言えない立地で、これだけの集客があるのは特筆すべきことだと自負しています。以前は団体のお客様が多かったのですが、米国の日本庭園門誌「Sukiya Living Magazine / The Journal of Japanese Gardening」で14年連続庭園日本一になる中で、個人のお客様が半数を超えるようになってきました。海外からのお客様も近年急増しており、年間約2万5000人にご来館いただいております。

日本一の大観コレクションを展示する
「横山大観特別展示室」

人気の要因はどのようにお考えですか?
他にはない日本庭園と日本画の調和がご好評をいただいている源泉だと思います。地元出身の実業家・足立全康が自身のコレクションを元に1970年、71歳の時に当館を設立したのが始まりです。来館者の皆様に日本画をより実感を持って鑑賞していただくために、庭園に日本画の世界を再現したのです。白砂青松庭は横山大観の「白沙青松」をモチーフにしたものです。
白砂青松庭、枯山水庭、池庭、苔庭など5万坪に及ぶ日本庭園の美しさと横山大観をはじめ、竹内栖鳳、川合玉堂、富岡鉄斎、榊原紫峰、上村松園ら、近代日本画壇の巨匠たちの名画や、北大路魯山人の陶芸、童画、漆芸、現代日本画など、総数約1,500点のコレクションをご覧いただけることが当館の特徴です。
庭園を通して四季折々の美に触れることで、日本画の魅力をさらに深く感じることができると考えております。

「生の額絵」の前にて

日本画と日本庭園の融合、そこにはどのようなコンセプトが込められているのでしょうか?
「庭園もまた一幅の絵画である」という全康の言葉があります。窓を額縁に見立て、庭園を絵画のように見せるわけです。庭は額縁の中で四季の移ろいによって変化していきます。四季折々に変化する豊かな表情と借景の自然の山々との調和は、まさに生きた日本画と言えるでしょう。全康の故郷でもあるこの地は『神々のふるさと』と言われる出雲の国、安来(ヤスギ)市。東に大山、西に宍道湖を控え折々の風趣が楽しめる自然に囲まれた地です。故郷を誇りに思い続けた足立全康は、美術館の創設に迷わずこの地を選びました。庭園を生きた日本画として捉えた全康は、91歳で亡くなるまで庭造りに心血を注ぎました。

クリアサイト®を通して眺める庭園
(両端は通常のフロート板ガラス)

そんな審美眼に適ったのがAGC旭硝子の低反射ガラスです。採用の理由はどんな点にあったのでしょう?
横山大観の展示室を新たに建設することになり、様々な製品の中から映り込みの少ないガラスをご提案いただいたのが最初です。当時はまだ低反射ガラスを採用している美術館がほとんどありませんでしたが、横山大観の「紅葉」という幅7mにも及ぶ大作があり、この絢爛豪華な作品をクリアに鑑賞していただきたいとの思いから、まずこの作品を展示する場所のガラスに採用しました。次は大展示室、陶芸館とリニューアルや増築の度に次々と低反射ガラスに替えていきました。今後もすべて低反射ガラスに替えていきたいと考えています。

大観の作品を前にしてガラスの存在感を全く感じない

低反射ガラスを導入して変わったことはありますか?
以前は、来館者の方から「ガラスへの映り込みで作品が見づらい」というお声があったのですが、一切なくなりました。ガラスについて何も言われないというのは、それだけガラスの存在感がないということではないでしょうか。ガラスは絵画を守る上で欠かせないものです。しかし一方で、鑑賞者にとっては作品との間に何も介在しない方が望ましいのです。クリアサイト®は、これまでの低反射ガラスよりも、さらに進化を続けているとお聞きしています。特に外装にも使えるというのは魅力的ですね。今後、美術館や庭園とクリアサイト®は切っても切れない関係になるのではないでしょうか。かつて足立全康が窓を額縁に見立て、庭園を絵画のように見せた時のように、新しい関係が生まれるのだと思います。

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