ガラスの豆知識VOL.28 ガラス汚れの落とし方

今回は一般の中性洗剤では落ちにくいガラスについた汚れ等の落とし方の一例をご紹介します。

ガラスが曇ったときに現れる吸盤の跡や、施工時の「ガラス注意」のラベルのシールが
ガラスに付着して困ったことはありませんか?

左の写真は、施工時に使う吸盤のゴムに含まれる
可塑剤及び架橋材の油分がガラス表面に
付着したことによるもの「吸盤の跡」です。
「チャック跡」なんていったりもしています。
また、ガラスの施工時に貼る「ガラス注意」ラベルの
シール材がガラス表面に付着して、
見えてくるときもあります。
いわゆる「ラベル跡」です。
これらの跡は、通常のガラスのクリーニングでは
落とすことが極めて困難な場合もあります。

このチャック跡・ラベル跡は、ガラスと吸盤のゴムもしくは接着剤の成分との化学的な結合なので、
一般的に、中性洗剤等で落とすことが困難なことがあります。
そして、落とすには、物理的に削る(=研磨)しか方法がない場合もあります。
その場合、ガラスの表面を削ることになるので、目に見えない傷をつけることになりますし、
程度によっては物理的に削ることができず、落とすことが不可能なこともあります。
また、セラミックプリントや熱線反射ガラスなどの表面加工ガラスなど
表面にフィルムがはってあるガラス、すりガラスなどは表面を研磨することはできません。

右の写真は「キイロビン120」(株式会社 プロスタッフの商品)という
「自動車用油膜取り剤」です。
自動車用品店やホームセンターで購入できます。
成分として、「酸化セリウム」が含まれています。
一般的な使い方は、添付のスポンジに水分を含ませ、
少量の油膜とり剤をたらしてなじませ、チャック・ラベル跡等に
スポンジを軽く押し当てて上下・左右に動かして拭きます。
そして、濡れタオルでふき取ります。
跡が消えるまでこの作業を繰り返し行います。
(誤ってガラスを割らないよう力の入れ方には注意してください。)
なお、上記のとおりセラミックプリントガラス、熱線反射ガラス、
すりガラス等には使用できませんし、
当然ですが人体・生物には使用しないでください。
また、商品添付の取扱説明書記載事項は必ず守ってください。

この方法でもチャック跡・ラベル跡が落ちない場合もありますが、
中性洗剤などで落ちないときは、試されるのも一つの方法となります。

「酸化セリウム」は網入り磨きガラスの表面の研磨剤としても使われているものです。
網入り磨き板ガラスは酸化セリウムで磨いて平滑面に仕上げており、
「磨き」の名前の由来もここからきているようです。

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